コラム地域・海外

コロナ後の海外旅行はどう変わるか いつ再開できる?

最も影響を受ける業種

旅行会社や航空会社・宿泊業者にリゾート地等、これらの旅行業界はコロナウイルスにより大きな打撃を受けています。

そして今後の展開を考えた時、最も影響を受けるだろう業種は、海外旅行関係の会社と言えます。
例えばこのままめでたく、1~2ヶ月で日本のコロナウイルスが終息したとしましょう。国内旅行であれば、段階的に回復が見込めるかもしれません。
しかし海外旅行は話が別です。未だ収まっていない国への渡航は自粛勧告が終息するまで続くでしょう。
また、日本は行動の自由が尊重されるため出国することが出来るかもしれませんが、相手先の国が受け入れてくれるかどうかわかりません。

現在日本人に対して入国制限措置を取っている国 184か国にも及ぶ
現在日本人に対して入国制限措置を取っている国 184か国にも及ぶ
外務省ホームページ

コロナ前、多くの国で渡航ビザが免除されていましたが、ここ数ヶ月、かなりの国でビザが必要になっています。そしてなかなか降りません。そもそもビザを持っていても入国が拒否されることすらあります。

さらに、うっかり発熱等の症状が出た場合、コロナウイルスでないとしても3週間程隔離されることを覚悟しなければなりません。現地で十分な医療が受けられるかどうかもあやふやです。

日本航空の株価 コロナ感染拡大に伴い半値近くまで値を落としている
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9201.T&ct=z&t=6m&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v

コロナ前に比べ、海外旅行のハードルは一気に高くなってしまったのです。
多くの国で、内部留保の少ない航空会社が倒産の憂き目にあっています。
150を超える航空会社が、90%以上の便を運休しています。航空機の維持・整備、空港の利用料等や人件費はその間も掛かっているのです。どうやってもちこたえられるでしょうか。
(参照:coronavirus Flight Cancelation Tracker - googleスプレッドシート)

さすがに航空会社の倒産は国の経済へのダメージも大きいため、多くの国で経済的支援を行っていますが、それも長期的に続けることは難しいでしょう。

海外旅行はいつ再開できる?

未だコロナがいつ収まるかすらわかっていないので、確実なことは誰にも言えません。しかしいくつかの説があります。

楽観的な説としては8月頃です。皆の自粛効果が功を奏し、日本で5月末や6月末ぐらいにコロナが終息し、更に日本政府・渡航先の政府それぞれが海外旅行をすみやかに受け入れた場合、この時期の可能となるかもしれません。
ただし、海外からの渡航者は最も警戒されます。世界的にコロナウイルスが広まったのは、海外旅行者の伝染が原因だからです。
入国時、厳しくチェックされるのはもちろん、抗体検査があるかもしれません。
更に、どのような移動経路で誰と接触したか、GPSの携帯・提出を求められることもありえない話ではありません。
そのぐらい海外旅行はシビアな問題です。

コロナウイルス抗体検査イメージ 血液を使用する

もう一つはある意味悲観的で、ある意味楽観的な展望です。
ワクチン、もしくは効果的な治療薬ができたのであれば、もうコロナウイルスを恐れる必要はありません。
多くの人が海外旅行を楽しむことが出来るでしょう。伝染病予防のため、完全にコロナ前と同じ、というわけにはいかないかもしれませんが、それに近い状況まで回復します。

ただしこのシナリオの場合、海外旅行が行えるのはしばらく後になるでしょう。
現在ワクチンの開発を進めているビル・ゲイツによれば、18ヶ月もの時間がかかります。2021年の終わり頃です。
それも上手く行ったらの話です。長期化する可能性すら有りえます。

航空料金が値上げする3つの理由

更に、海外旅行を解禁した後についても考えましょう。
多くの識者は、航空料金が値上げされるとの見解を出しています。

“If the recovery is as slow as we fear, it means our airline and our workforce will have to be smaller than it is today,” said United CEO Oscar Munoz and President Scott Kirby in a message to their employees last Friday.A leaner airline industry means some of the 750,000 jobs the industry had at the start of 2020 won’t come back. Hundreds of planes will almost certainly stay grounded, which will mean less capacity and higher fares.Many of the low-cost seats that passengers have enjoyed booking will disappear.

https://edition.cnn.com/2020/04/01/business/airline-industry-outlook/index.html

「コロナからの回復が想像の通り遅くなった場合、私達の航空会社と労働力が今よりもっと縮小されなければならないことを意味します」ユナイテッド航空のCEOオスカー・ムノスと、社長のスコットカービーは先週の金曜日に従業員へのメッセージで語った。

縮小された航空業界は、2020年当初行っていた75万人もの雇用ができないことを意味します。ほぼ数百もの航空機が地上に降りたままとなるため、容量の低下・運賃の高額化は避けられません。

乗客が予約を楽しんでいた低コストの座席の多くは姿を消します。

世界有数の航空会社CEOが語るとおり、少なくとも運賃の高額化は避けられないはずです。
高額化する理由はいくつかあるからです。

1.内部留保の確保

Similarly, aviation consultancy CAPA said earlier this month that by the end of May, “most airlines in the world will be bankrupt” without coordinated government and industry intervention. 

https://www.businessinsider.com/coronavirus-airlines-that-failed-bankrupt-covid19-pandemic-2020-3#flybe-uk-march-2020-1

IATAは、世界的な航空会社が発生により少なくとも3,140億ドルを失うと推定しています。
同様に、航空コンサルタントのCAPA 今月初め、5月末までに政府と業界の協調的な介入なしに「世界のほとんどの航空会社が破産する」と語った。 

航空会社はもはや致命的までの損失を記録しています。アメリカ政府は1000億ドル(約10兆円)もの航空会社への援助や融資・労働者への給与の支払いを表明していますが、それでもカバーしきないほどの損失が出ています。
更に貧しい国の場合、維持できるのはほんの一握りの航空会社になるでしょう。

そんな中、コロナ後まで生き残っている航空会社は、次の流行に備えなければなりません。現時点で、航空会社は内部留保の少ない順に倒産しているからです。

安全な経営のため、運賃の値上げを行ったとしても責められません。

2.出張数の低下

今回のコロナ禍により、多くの会社でテレワークや、非対面での商談が図られています。
そしてそれは多くの企業で上手く行っています。
……上手く行ってしまったのです。

コロナが終息した後、どれだけの企業が、これまでと同じようにビジネスクラスの出張を許すでしょうか。
また、受注する企業も、それだけのコストを掛けることを是とするでしょうか。

出張数が減ることは避けられないでしょう。
そしてそれは、比較的高額なビジネスクラスの座席に空きが出ることを意味します。
その空いた席の料金を埋め合わせするため、一般の航空チケットが値上がりする確率は、低く有りません。

3.合併による選択肢の喪失・競争の低下

実のところ、航空会社は業績が悪化しても倒産・閉業するとは限りません。多少はマシな業績の航空会社と合併(吸収)することも多いです。

今回すでに合併へと動き出している航空会社もあります。
マレーシア航空とエアアジア等です。
もともとマレーシア航空は長年業績悪化と戦っており、2015年に国営企業傘下となることで、事実上の国営化がなされていました。
(2014年に行方不明となり、その後現在に至るまで見つかっていないマレーシア航空370便、と聞けば、思い当たる方も多いかもしれません)

こういった合併が起き、2国間をつなぐ路線が1つしか存在しない場合、値上がりする可能性は高いと言えます。競争原理が働かないからです。
第三国を経由する方法もありますが、現在の衛生意識の中で第三国を通過するのは、おそらくハードルが高くなるでしょう。

コロナによる減便で留め置かれている航空機
フランクフルト空港では、滑走路の1本を閉鎖し、飛行機の駐機場にしている。

反動で流行る可能性も

もちろん悲観的な見方ばかりではありません。楽観的な要素も追加しておこうと思います。

今年に入って多くの人が海外旅行を我慢しています。定期的に海外に行くことを生きる糧としている人、海外で暮らしている友人・家族と、無事でいる喜びを分かち合いたい人もいることでしょう。
コロナが終息した際、そうした人達の需要も決して無視できません。
開放ムードで盛り上がることは、コロナ終息にあたって危険なことではありますが、もしワクチンや治療薬が確立されていたなら話は別です。反動で盛り上がる可能性すらあります。

更に多くの政府は、旅行業界を支援することを決めています。
それは直接的な金銭援助だけでなく、旅行費の補助も含まれます。
例えば日本でも、旅行費の補助として「1.4兆円」もの予算が当てられます。
(参照:観光経済新聞
多くの補助は国内旅行向けではありますが、海外旅行にも多少の補助が行われる可能性は低くありません。

何よりも海外旅行はすばらしい体験です。異文化に触れることは人生を豊かにします。
世界が向かう流れの一つに「モノ消費」から「コト消費」への転換が挙げられています。
確かに旅行業界は大きな打撃を受けましたが、本当に長期的な目線で見た場合、その未来は決して悲観するものでは有りません。

ギリシャ サントリーニ島の素晴らしい夜景

リスクはあるかもしれませんが、私は海外旅行に「行きたい」です。
旅行業界で仕事をされている方は、いつコロナが終息するのかと、一日千秋の想いで過ごされているかと思います。
もう少し待っていて下さい。いずれコロナが終息した際、生き残った旅行業界を積極的に支援したいと私は感じています。あなたはどうですか?

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 匿名
匿名
3 年 前

この人それなりに面白い視点で書いているのに、細かな間違いが多すぎ サントリーニがアイスランドって海外旅行好きじゃない人でも間違いわかるレベル。教養が低い人に思われてもったいないと思います。

 匿名
匿名
3 年 前

サントリーニがアイスランドって海外旅行好きじゃない人でも間違いわかるレベル。そうなの?

 匿名
匿名
3 年 前

あああ

 匿名
匿名
3 年 前

来年、絶対にHawaiiに行く!!

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