今や 人口 で中国を追い抜こうか、というインドは、デジタル業界において巨大な市場です。
動画サブスクリプションサービスにおいても、もちろんインドは有望な市場です。
Netflixインドは 昨年3月までの年度で、700%の収益成長率を記録し、最高のスタートを切ったかと思いました。しかしながら昨年末11%のDAU(デイリーアクティブユーザー)減少を記録し、増加に急ブレーキがかかってしまいました。

原因は通信料金の引き上げと、コンテンツの不作

インドの動画閲覧はほとんどスマートフォンで行われています。しかしあまりに動画を見る人が増えたためか、通信キャリアが40%もの料金増額を決定しました。これはNetflixにとって大きな打撃です。
もともとインドの通信量は非常に安かったため、Netflixがそこまで急成長できた所もありました。しかしインドの大半はそこまで裕福な人達ではないため、料金の値上げは死活問題です。AmazonPrime等の安価なライバルも存在するからです。

また、コンテンツの不作もダメージを与えました。
「Sacred Games」という人気ドラマも、2期に期待されましたが、そこまで人気はのびなかったようです。
Netflixインドの制作したオリジナル映画「Bard of Blood 」も、批評家には酷評され、10点中2.4という評価を記録しました。

Netflixは「インドで1万人の会員を獲得する」という目標を掲げていますが、現在足踏みしている状態のようです。

それでもまだ不安にならなくていい訳

現在Netflixインドは、主にコンテンツ制作プロセスの改善等に努めています。
クラウドを活用してワークフローを合理化し、コンテンツの品質とコスト両方を確保できるよう、生産プロセスを監視しています。

また、インド市場へのオリジナルコンテンツの制作にも、力を注いでいます。
2019年と2020年のインド視聴者向けオリジナルコンテンツに対し、3000クロール(約400億円)を投資する予定とのことです。

いずれにせよこれから世界はコンテンツ時代を迎えます。その中で今最も注目されているのはNetflixといっても過言ではないでしょう。
5Gの普及についても、インド市場は中国・アメリカ双方が獲得しようと躍起になっている市場です。そこまで導入が遅れるとは考えにくいと言えます。
今後のNetflixインドの動きに、世界が注目しています。

参照:Netflix’s New Problem Could Prove Costly in This Major Market
https://www.fool.com/investing/2020/01/15/netflixs-new-problem-could-prove-costly-in-this-ma.aspx

Published by
安藤隆史