コロナウイルスのニュースが連日報道されています。
これだけ話題になり人々の関心を集めると、多くの人はネットでさらなる情報を調べようとするわけですが、
現状各種サイトやSNSは、有用な情報と同時に、真偽不明の情報も散らばっています。
具体的な内容は伏せますが、陰謀論のような好奇心を刺激しやすい説は、それだけ多く拡散してしまうのです。
そのような情報ばかりが広まってしまうと、医療機関に人が殺到して二次災害が起きたり、「政府は信用できない」と正しいアナウンスも聞こえなくなったり、数々の弊害が起きてしまいます。
そのため各種検索サイトやSNSは、信用のおける情報をトップに出すこと等で、そういった人災が起きないように対策をしています。
実際どのように対策しているか見てみましょう。
twitterで「コロナウイルス」と検索すると、「厚生労働省 新型コロナウイルス関連肺炎情報」ページヘのリンクが目立つ形で掲載されます。
なお、「選挙時にBOTアカウントを操作して情勢を動かす」というような仕掛けが、以前ありましたが、
今回フェイクを流行らせようと、そういった大規模な工作が仕掛けられている兆候はない、とのことです。
Helping the world find credible information about novel #coronavirus
https://blog.twitter.com/en_us/topics/company/2020/authoritative-information-about-novel-coronavirus.html
ただ、未だtwitterでデマ情報が流れやすいのは確かです。
対策にも限界があるでしょう。
正直twitterは信頼できる情報の摂取先としては、あまり向いていません。
Facebookは、以前反ワクチンのコミュニティが活動している、とのことで責任を追求されました。
そのこともあり、今回のコロナウイルスでは、デマ対策に積極的な姿勢を打ち出しています。
まず普通に「コロナウイルス」と検索すると、twitterと同じく厚生労働省のページへのリンクが、目立つ形で出てきます。
更にデマ・フェイクニュースの積極的な削除を行っているようです。
We will also start to remove content with false claims or conspiracy theories that have been flagged by leading global health organizations and local health authorities that could cause harm to people who believe them. We are doing this as an extension of our existing policies to remove content that could cause physical harm.
「私たちは、彼らを信じる人々に危害を及ぼす可能性のある、世界の主要な保健機関や地元の保健当局によってフラグが立てられた虚偽の主張や陰謀説のあるコンテンツの削除を開始します。これは、物理的な損害を引き起こす可能性のあるコンテンツを削除するための既存のポリシーの拡張として行っています。」
また、一部検索結果の制限も行っているのではないかと思います。
例えば、コロナウイルスの有名なデマに「漂白剤を飲むと治る」という悪質な嘘があります。(デマですので絶対にやらないでくださいね)
そういった物を検索しようとして「コロナウイルス 漂白剤」と検索ボックスに入力すると…
「一致する結果はありませんでした」とでてきます。
単に書いてる人がいないのかとも思いましたが、いろんなワードを駆使してみると、それなりにこのキーワードを使っている人が存在していることがわかります。
(例えばイをィに変えるだけで、検索結果にいっぱい出てきます)
英語で「corona virus bleach」と検索しても0件でした。
やはりブロックしているのでしょう。
その他、保険当局向けに無料の広告枠を用意し、コロナウイルス教育キャンペーンを行ったり、
匿名化されたモビリティデータや人口密度マップデータを、ハーバード大学や台湾の大学の研究者と共有することで、拡散の予測モデルを作成したりしているとのことです。
Facebookがコロナウイルスに向き合う、本気度が伺えます。
https://about.fb.com/news/2020/01/coronavirus/
Googleで「コロナウイルス」と検索すると、ニュースと一緒に、世界保健機関(WHO)の公式ページが出てきます。
ただ、今の所英語が表示されているようです…
WHOのページは英語・中国語・フランス語・ロシア語・スペイン語・アラビア語には対応しているようですが、日本語には対応していません。
代わりに厚生省の情報でも出してくれたら、と思うのですが、日本独自の対応は難しいのでしょうか。
ちなみに「コロナウィルス」(ィが小さい)だと出てきません。
また、Googleが運営するYoutubeでも、「コロナウイルス」と検索した際、認証された投稿者のコンテンツが上位に表示されるよう調整されているとのことです。
Yahooの場合は自社でまとめたページを先頭に出しています。
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207
自社のまとめページの方も、先頭に厚生労働省の公式発表を載せ、きちんと統制の取れた情報を発信しているようです。
まとめページへのリンクの次は、関連情報リンクを載せています。
基本的に厚生労働省や鑑定、国立感染症研究所等の信頼性の高いサイトへリンクを飛ばしています。
相談窓口へのリンクもあり、かなり気の利いた掲載方法ですね。
その下にある「メディカルノート」は、公的機関では有りませんが、Yahooと提携した医療情報サイトです。
監修医が実名入りで監修・執筆を行っているサイトですので、ある程度信頼できる情報かと思います。
普段検索サイトやSNSサイトは、情報を歪めることが非とされますが、今回のコロナウイルスに関する騒ぎでは、情報が命を左右することがあります。
特に海外のデマでは、命を害しそうな情報すらよく見られました。
このような時、プラットフォーマーは普段よりもしっかりとした統制能力を発揮し、デマが拡散するのを防ぎ、正しい情報が周知されるようにする必要があります。
今後も災害時や、戦時等に、更に洗練された行動が求められていくことになるでしょう。
これはGAFAや大手SNSだけでなく、あらゆるプラットフォームで同じ姿勢が求められていくのかもしれません。
しかしこれは使うユーザー側も協力する必要があるのではないでしょうか。
ソースの怪しい情報をシェアしたり、過激な情報を求めて探し回ったり、誤解を生みそうな誇張した表現をしたりするなら、最悪の結果を生みかねません。
「真実を見抜ける人間が、本当のことを広めてあげないと!」と思うかもしれませんが、それは資格ある機関が責任を持ってやることであり、個人レベルでやることではないかもしれません。
幸か不幸か、一般人が行うべきことはそこまで多くありません。必要な情報を確認したら、不安になるのをやめて明るいことを考えましょう。