これからお話するのはすごくネガティブな話です。気が滅入っている方が今読む必要はありません。正直ネガティブ過ぎて書くのをためらいました。しかし大切な話です。
パンデミックや医療崩壊もそうですが、このタイミングで最も恐れるべきは大地震等の災害です。大災害はそれ一つだけでも悲惨なことですが、大災害に伴うあらゆる事象は、緊急事態宣言が起きている今、あまりに相性が悪すぎます。
なお私は九州北部水害・熊本大地震それぞれで被災・避難した経験があり、その経験をもとに記載しています。
熊本地震の際、避難所にいきましたが、隣の人との距離は非常に近いものでした。夜寝るとき等は30cm横に家族でない人が寝ている状況です。「ソーシャルディスタンス」等と言っていられる状況ではありませんでした。
もちろんこの事態で避難を余儀なくされた場合、スペースを広く設ける等の対策は取られるかと思います。以下のMBCが自治体へ行った取材でもそのような想定がされていました。
コロナ警戒下で もし災害が起きたら
しかしながら動画内でも述べられていたとおり、「別の避難所へ移ってもらう」ことは非常時においてハードルが高いのです。移動までに危険な場所があったら?実際に移動したとき自分たちに確保できるスペースがなかったら?更に劣悪な環境だったら?震災直後の不安を感じている中では、なかなか行動に移せません。それを呼びかける人、避難所の人数を管理する人もいなければいけません。考えるよりも実行が難しいかと思います。
また広くスペースを取ったとしても、多くの場合トイレや洗面所等は共通です。クラスターの発生を回避するのは相当難しいでしょう。
今コロナウイルス拡散防止の為、一番呼びかけていることは「手洗い」です。しかしこれは潤沢に水が使えるからこそできる対策です。
大地震等では多くの場合水道管が破損してしまい、その修復や安全確認等のために断水が行われます。
しかしこの事態の中、あまり断水になることを考えたくはありません。飲水の確保だけでも大変なのです。手を洗うことに使える水はわずかになるでしょう。
アルコール消毒液も、すでに足りておらず、非常時は医療機関優先のため確保は難しいかと思います。
言わずもがな、お風呂やシャワー等も、断水になれば難しいです。衛生状態を保つため、体を拭くシート等を避難用リュックへ入れておくことをおすすめします。
そしてどの被災でも確保しなければいけないのが避難物資です。
熊本地震でも、水や食料などの避難物資は迅速に手配されました。自衛隊や付近の県から、物資運搬のボランティアや給水車が即急に来ていただきました。
しかしながら、避難物資は受け取る際とても密集します。例えば私が給水車から水を受け取る際、2時間近く行列に並びました。
これでもマシな方で、住宅街の公園では5時間以上並んだ人も多かったようです。
給付金の配布方法等で議論されていますが、「密」を作らずに人々へ一斉に何かを配る、というのはとても難しいことです。
通常時以上の混乱が予想されます。
ただでさえ、現在医療のリソースが足りていません。そこに追加で大量の被災者を受け入れる余裕があるかと言われれば、難しいでしょう。
解決策としては、軽傷の人を後回しにするか、もしくはコロナを完全に無視した医療を行うかです。
通常、震災時には他県や他国から医療関係者が多く来て治療にあたります。
しかし現在全世界中で、医療リソースを確保するためにあらゆる手を尽くして奮闘しています。
これを対策するのは一般人にとって難しいのですが、家具等を怪我をしない配置にする、応急措置を施すキットを避難物資に入れておく、かんたんな止血等の措置はできるようになっておく、等でしょうか。
あとはとにかく健康でいることです。健康でいることはいつでも大きな価値があります。
その他にも、全世界的不況時における経済的援助の難しさや、クラスター発生時の差別感情等、不安はいくらでも湧いて出ますが、行うべきことはそれほど難しくありません。
とにかく大事なのは「非常用の物資を揃えること」です。
最低限の用意は平常時でも必要ですし、もし災害にあったとしても自宅が無事なら、多めに揃えておいた物資はそのまま役に立ちます。
もし事前の備えで感染リスクを下げることができるなら、多少多めに買い込んでおいたとしても安いものでしょう。
もうしばらく掛かるかもしれませんが、政府から10万円が給付される予定です。
これを災害用物資の補填に使うことをおすすめします。貯金と違い、この消費は安心できる使いみちでもありながら、経済の活性化にもつながる使い方です。
非常時のガイドラインとしては、食料が届く「3日分」を目安にしていることが多いですが、コロナウイルスの危機がある今、1週間分以上の物資を可能ならば揃えましょう。
また避難所についても、直近の避難所だけでなく第2・第3の避難所や主要な公的施設、安全にそこへ行けるルート等も考えておきましょう。
避難所の移動を促された際、速やかに従うことができます。
することを決めたら、災害のことは一旦忘れましょう。
ネガティブなことをたくさん書いておいてなんですが、このことであまり悲観的にならないでください。まだ大災害は起きていませんし、あなたが災害に合う可能性は高くありません。
そして日本は世界で最も災害に慣れていて、備えができている国でもあります。たとえ大災害が起きたとしてもまだ「終わり」ではありません。
なにより災害のことを考えるのはとても不健康です。
準備を行うこと、健康に生きること。それが「今やるべきこと」です。