新型肺炎の感染拡大防止や働き方改革などの影響で、各社がリモートワークを導入しています。
元来の日本人の働き方に合っていないためかうまくいっていない企業が多いようですが、それは会社の経営戦略を変えるだけで成功へ導くことができます。
今回の記事では、リモートワークをきっかけにして経営戦略を見直すことについて解説します。
リモートワークをきっかけに経営戦略を見直すための手段して、仕事の評価の基準を変えることをオススメします。
今までの働き方は、どうしても「時間」が評価される仕組みになっていました。しかし、これは上司が従業員の動きを把握することが安易だったから評価できていたわけですから、リモートワークを導入すると従業員の動きを把握することがとても難しくなります。だからといって、就業中にウェブカメラを繋いで監視し続けることは現実的ではありません。そうなると、「時間による評価」が難しくなるのです。
では、どのように評価基準を変えると良いのでしょうか。ここでご提案したいのは、「結果(アウトプット)による評価」です。
結果を出すためには、「できること」や「やるべきこと」を考えることが必要ですから、今まで以上に物事をしっかり考えるようになります。例えば、具体的な目標設定、ゴールに至るまでに何をするのか、その目標を達成することで会社にはどのような利益があるのか。
「リモートワークをする前でもこう言ったことは考えていた」というご指摘をいただきそうですが、今までの働き方では「考えるという行動やそこにかける時間」が評価の一部になっていたのです。つまり、悩んでる姿などが上司に見えていますから、「がんばり」を評価しやすかったと言えます。
しかし、リモートワークになることで見えるものは「過程」よりも「結果」です。ミーティングなどのコミュニケーションを密にとれば過程も見えるかもしれませんが、把握しきれないのが現実なのではないでしょうか。
会社全体にリモートワークが浸透してきたら、「完全リモート可能」な採用を打ち出してはいかがでしょうか。世の中には「働きたいけれど働けない」優秀な人材が溢れています。それは地域的なものや家庭事情、はたまた身体的事情に至るまであるわけです。
そんな「意欲はあるのに働けない」人たちは経歴的に優秀な方は多いです。リモートワークで働けるチャンスがあるとするならば、会社のためにフルコミットしてくれることでしょう。また、フルリモートで働くことができる人たちは物事の順序立てや優先順位をつけることに長けていますから、他の社員に対しても良い影響をもたらしてくれることが考えられます。
さらに、社会の中には、複数人と関わることは苦手だけれど1on1ならしっかりコミュニケーションをとってパフォーマンスの良い仕事ができる人もいます。日頃は何度か頑張ってコミュニケーションをとっているけれど、他者の倍以上にエネルギーを使っている可能性があるのです。普段はどうしても能力が発揮できなくて埋もれてしまっているような人でも、ZoomやGoogleMeetsを活用することで、自分に最適な環境を構築して仕事をすることで、今まで以上の能力を発揮できたケースがあります。
「出勤すること」が当たり前の時代は終わりつつあります。業種や職種によってはどうしようもないところはありますが、リモートによる採用によって今までになかった新しい才能を会社に迎えることができ、社内の人材を伸ばすことも可能なのです。
経営戦略の一つとして、社長や役員と言った幹部と言われる人たちもリモートワークをするべきです。まだまだ日本ではリモートワークが浸透していませんから、社長や役員クラスの人たちがリモートワークをすることは現実的でないと思われるかもしれません。しかし、最終的には会社全体でリモートワークをできる体制を整えることが、これからの「新しい働き方」の波に乗るためには不可欠です。そこで、現場のスタッフだけがリモートワークをする体制は、最終的に元々の出勤する働き方に戻っていく可能性が大いにあります。
また、現場の人間がリモートワークをしているのに役員や社長が出勤しているケースが多々見受けられます。ですが、それでは実際に現場が感じているメリット・デメリットを共有することができませんし、社内で温度差の違いが出てしまいます。
さらに、社長や役員クラスの人たちが率先してリモートワークをすることで、現場クラスでリモートワークに抵抗感を感じている人たちもやりやすくなりますから、リモートワークを推進することができるでしょう。
リモートワークが主流になると、会社と社員のつながりは「役割」と「結果」による関係性になります。だからといって、関係性が希薄になるわけではありません。
ここで会社と社員をしっかり繋いでくれるものは、会社の「理念」や「方針」です。一人一人が理念や方針を意識して働くことができれば、リモートであっても会社にとって良い結果や利益をもたらすことでしょう。ですが、間違ってはいけないことがあります。それは、理念や方針を強要することは絶対にいけないということです。リモートであるぶん、社員の顔や思いが理解しにくくなる側面はどうしても出てきます。だからこそ、そこでしっかりと社員一人ひとりを信じていることが重要になります。
会社の理念や方針はちゃんと社員に共有できていますか?「当たり前だ」と思わず、一度立ち止まっていただければと思います。
また、リモートワークを進めていくにあたり、全体で共有しておくべきものがもう一つあります。それは、「代表の思いや考え」です。
あなたは、会社や組織の「代表」の思いや考えをリアルタイムに理解できていますか?また、チームや組織全体として共有できていますか?なかなかできていないところもあるのではないでしょうか。
これからの時代、会社と社員のつながり方は「ワンフロア」ではなく「ネットワーク」に変わります。こんな時だからこそ、チームとして組織のトップの考え方や思いをしっかり共有して働ける環境を構築すべきです。
この記事では、リモートワークを推進するにあたって見直すべき経営戦略について解説してきました。これからの働き方は、「働き方を変えた方が良い」のではなく「働き方を変えていかなければならない」ようになってくるでしょう。そうなってから戦略を考えていてはいけません。これから、明日からでも経営戦略を見直し、リモートワークや主流になったときに冷静に対応できるようにしておきましょう。
これから、人手不足は加速します。今までのように「フルタイムで働く」「オフィスで働く」が当たり前では会社自体が持たなくなるでしょう。
柔軟に、冷静に、経営戦略を練っていくことが生き延びていくために重要です。
結果的にコスト削減になったり、思いがけないメリットを会社にもたらしてくれるかもしれません。
この記事が、少しでもお役に立つことを願って・・・。