地域・海外

コロナウイルスはまだ世界で害を及ぼし続ける

全国的に緊急事態宣言が解除され、多くの経済活動が再開されようとしています。
先週末は街に人が戻り、飲食店等で食事する人も見るようになってきました。

コロナウイルスは、ひとまず終息したと言っていいのでしょうか?
日本国内に関して言えば、第二波の可能性はもちろんありますが、少しは落ち着いたとみていいかもしれません。

ただし世界に目を向けてみると、まだまだ解決しなければ行けない問題が山程あります。
そしてその影響から日本も決して無関係ではいられない以上、目をそらすべきではありません。

国際的な景気の悪化

アメリカの失業率は、戦後最大・世界恐慌以来の14.7%を記録しました。
非常事態宣言が出された後からの失業保険件数は2600万件を超え、ほぼ6人に1人が職を失ったことになります。

EUや英国でも事態は深刻です。雇用の4件に1件が、時短勤務を強いられたり、給与の値下げ、そして解雇等のリスクにさらされています。 EUは未だロックダウン中の国が多いですが、これが3ヶ月続いた場合、失業率は2021年には11.2%にまで上昇すると見られています。
そしてリーマンショック等と違うのは、その雇用が回復する見込みが薄いという点です。
ワクチンや特効薬等は未だ開発途中です。臨床試験等を考えると、まだまだ時間がかかります。
ワクチンの開発よりも、人類がwithコロナの生き方を学ぶほうが早いかもしれません。

未だ不安視されている発展途上国

そして先進国がそれだけ苦しんでいる以上、発展途上国では更に事態が深刻です。
特に今、インドが危険視されています。
3月後半より13億人を対象にした全土封鎖を行いましたが、感染者は調査しただけでも10万人を超える勢いです。しかしながら、インド政府は一部地域での工場再稼働や、許可を得た人の州をまたいだ移動等を緩和しています。

インド政府は31日までロックダウンの延長を決定した

そもそもインドは住民の22%が貧困層(1日54円以下で暮らす層)です。
医療体制が整っていないばかりか、公衆衛生の概念すらあやふやな状況です。
ロックダウンの効果事態がひどく限定的でしょう。

しかし、そのような中にありながらインドは海外企業の製造拠点を誘致しようとしています。中国に対する不安感等から、インドに拠点を移すことを推奨しているのです。
確かに米中間の対立が激しくなっている今、チャンスはあるかもしれませんが、先進国各国にとってリスキーな国であることに変わりはないでしょう。

忘れられた移民 無関心になる(それどころではない?)先進国

コロナ前に、世界的な問題となっていたことをいくつ思い出せますか?
「移民問題」はその一つです。ISIS等の危機から逃れるため、危うい仲介業者の船に乗り、遭難したり沈没して命を落したり、といった悲劇が問題になっていました。

最近報道されていない、と感じられたかもしれませんが、コロナが流行ると同時に問題は解決したのでしょうか?
そんな事はありません。むしろ状況は悪化しています。
ISISは、米軍や有志連合が力を弱める中、勢力の挽回を狙っていますし、移民に至ってはその救助が停止されています。

「リビアにいる移民の75%がロックダウン(都市封鎖)のあおりで職を失っており、絶望的な事態になる恐れがある」とコシェテル氏は語った。

 国際移住機関は、「現在の状況では、国際社会の目が届かない所で人知れず難破船が発生している恐れが高まっている」と警鐘を鳴らしている。

https://www.jiji.com/jc/article?k=20200518040071a&g=afp

海外からの外貨流入が止まってしまったり、ロックダウンを余儀なくされている途上国には、カウントされていないだけで数多くの被害者が存在しています。
そして残念ながら、その数はまだまだ増え続けることでしょう

今日本は何をするべきか?

世界的に見れば、まだまだコロナ禍の途中であり、立ち向かわなければいけない壁がいくつも存在しています。
しかし日本はといえば、世界的に見ても相当に被害が少ない国です。それは築き上げてきた医療体制のおかげでもありますし、人々の努力の成果でもありますし、単純に幸運だった部分もあるでしょう。

そしてそのような”うまくいった国”には、新たな使命があると思います。
少し前の緊急事態宣言のさなか、自粛要請を受けていない企業や、不況の煽りを受けなかった業種については、経済を回す責任がありました。
それらの人が一緒になって自粛したとしても、状況の悪化しか招きません。経済で回せる部分をどんどん回していき、更に変化しなければ行けない部分を改革していくことで、社会改善の一端を担うことができるからです。

日本の緊急事態宣言が明けた今、今度は世界に対して義務があります。
第二波を起こさないよう注意深くある必要がありますが、可能な範囲で経済活動を再開し、withコロナに合った社会を模索する義務です。
もしその点で率先して動くことができれば、世界に対しての貢献もできますし、下降していると言われていた日本の国際的地位を改善するチャンスとも言えるでしょう。

かつて幾度もの災害時、あらゆる国が日本を助けてくれました。
今はその恩返しをする絶好の機会かも知れません。

Published by
安藤隆史