世界全体で猛威を振るっている新型コロナウイルス。
コロナが経済に与えた影響は甚大で、今後世界全体で1930年代の世界恐慌以来の景気後退がくると予想されているほどです。
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012429711000.html
日本でも、コロナの影響で倒産に追い込まれた企業は150社以上にものぼっています。
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200515/k10012432151000.html
このような現状で、今後の景気もそうですが、失業・休業に追い込まれ、生活に不安を抱える方も多くいらっしゃるかと思います。
この記事を読んでいるあなたも、
「このままでは借金が払えない…」
「今後借金を返済していく見通しが立たない…」
と不安に感じているのではでないでしょうか。
ここでは、コロナで借金やローンの支払いができなくなってしまった方へ、その解決方法を解説していきます。
先が見えず、不安でたまらない状況ですが、この記事が借金問題解決の糸口になれば幸いです。
ひとこと借金が返済できないといっても、
「会社の借金が払えなくなった…」
「住宅ローンが払えなくなった…」
「クレジットカードの支払いができなくなった…」
「奨学金が払えなくなった…」
と状況はさまざまです。
まずはお金を借りている金融機関や、自治体の相談窓口、社会福祉協議会、国の相談窓口などに状況と今後について相談しましょう。
相談先と現状を立て直す解決策を解説していきます。
銀行や信用金庫などの金融機関では、コロナに関する相談窓口を設けているところが多いです。
借金・ローンについて相談すれば救済措置をとってもらえます。
これは中小企業金融円滑化法により、借金の返済が困難になった個人・企業に対して、金融機関は返済条件の変更に応じなければならない義務があるためです。
一時は休止されていた法律ですが、このコロナによる影響を鑑みて3月から復活となっています。
参考:中小企業等に対する金融円滑化対策について
金融機関の主な対応としては、一定期間返済額の減額や、元本据え置きで金利のみの返済(実質減額)、返済期間の延長などのローン返済のリスケジュールです。
中でも一般的なのが「半年から1年の間、金利のみの返済」という形です。
最長で1年、実質的に返済額を減らしてもらえるため、その間に事業を立て直すことができます。
ただ逆に言えばその間に資金繰りをし、元の経営状態にまで改善しなければなりません。
リスケジュール中は新たに融資を受けられなくなるため、手元の資金でやりくりすることになります。
そのため経営が立ち行かなくなる前に、早めにリスケジュールを考えてみてはいかがでしょうか。
各都道府県にある事務所への相談はこちらから。
参考:ご相談は財務局・財務事務所の金融円滑化窓口へ!
~中小企業等金融円滑化相談窓口のご案内~
たとえば目黒区では、コロナの影響で生活に困窮する方を対象に、「住居確保給付金・めぐろくらしの相談窓口」を設置しています。
他の自治体でも同じような窓口を設けているため、まずは各自治体のホームページを確認しましょう。
また、自治体によっては貸付や融資を行なっているところもあります。
同じく目黒区では、コロナで経済的に影響を受けた中小企業向けに、「新型コロナウイルス対策緊急融資制度」を設けています。
融資を受けるためには、「直近1ヶ月、コロナの影響により売り上げが20%以上減少していること」「区内で1年以上事業を営んでいること」などの条件があります。
申し込みについて、まずは相談が必要になるため、ホームページを確認しましょう。
参考:融資相談・申し込み
社会福祉協議会とは、社会福祉活動を推進することを目的とした民間の団体です。
東京都福祉協議会では自治体と連携し、コロナにより休業・失業された方向けに、少額の特例貸付・生活支援金貸付を行なっています。
<緊急小口資金(特例貸付)>
<総合支援資金 生活支援費(特例貸付)>
申請の方法や申請書のダウンロードは、各地域の社会福祉協議会のホームページを確認しましょう。
参考:東京都社会福祉協議会 新型コロナウイルス感染症の影響による休業・離職等による特例貸付のご案内
日本学生支援機構では、コロナの影響で勤務先の業績悪化による減収・失業より、返還が困難な方向けに、減額返還・返還期限猶予の2つの対応を行なっています。
お問い合わせから相談することもできるため、まずは借りているホームページを確認しましょう。
参考:独立行政法人 日本学生支援機構 新型コロナウイルス感染症への対応について
経済産業省のホームページには、企業や個人事業主向けの資金繰りの支援がまとめられています。
参考:経済産業省 新型コロナウイルス感染症関連
細かい条件ごとに、どこに相談・支援を受けるべきなのかチャートにまとめられているので、支援先に迷ったらまずこちらを見てみましょう。
参考:資金繰り支援内容一覧表(4/14時点)
また資金繰り支援の他にも、テナント家賃の支払いを支援する制度というものもあります。
これには給付金と融資の2つの仕組みがあります。
<給付金>
<融資>
融資には3種類あり、無利子・無担保で受けることができます。
テナント家賃の給付金、融資が受けられれば、本来家賃にあてるつもりだった資金をローン返済に充当することができます。
参考:≪テナント家賃の支払いを支援する制度について≫
このように、他のところからローンの返済金を捻出できないか考えてみるのも、1つの手段です。
新たな解決策を見つけるためにも、1人で抱え込まず、まずは各所で設けてる相談窓口で相談してみましょう。
いかがでしょうか。
自分の状況にあった方法を見つけられたでしょうか。
相談のみなら無料で利用できるため、気軽に返済の不安を相談してみましょう。
ただ、中には
「相談して支払いの猶予をもらえても、借金が払えない問題は解決しない…」「安定した収入の目処がないため、融資を受けるのは厳しい…」
という方もいらっしゃると思います。
借金問題を根本から解決する方法として、「債務整理」を行う方法があります。
債務整理とは借金を減額・免除したり、支払いを延長してゆとりを持たせたりするための手続きのことをいいます。
この債務整理には3種類の方法があります。
それぞれメリット・デメリットを交えつつ、解説していきます。
任意整理は、3つの債務整理の中で最もメジャーな方法です。
借入先の金融機関と交渉をし、借金を減額したり、利息をカットしたり、月々の分割金を減らすなど支払いにゆとりを持たせる方法のことをいいます。
任意整理の大きなメリットとして、裁判所を通さずに手続きできるという点があります。
法的な手続きではないため、借入先との交渉次第では柔軟に借金問題を解決できることもあります。
任意整理は、裁判所に出頭せずとも身分証明書があれば手続きできるため、個人再生・自己破産と比べてスムーズに行えるのが特徴です。
家族や会社にバレる可能性も低くいため、債務整理の中でも最も利用されている方法になっています。
大きなデメリットとしてブラックリストに登録されるという点があります。
「ブラックリストに登録される」とは、金融機関の個人信用情報に事故情報として登録されることをいいます。
個人信用情報には債権者の名前や年齢、年収、現在の借入金額、過去の返済履歴など、細かい個人情報が掲載されています。
たとえばクレジットカードの申し込みがあったとき、その人が信用できる人物かどうか判断するために、この個人信用情報が利用されます。
任意整理を行うと個人信用情報に事故情報として掲載されるため、新しくクレジットカードが作れなくなったり、ローンを組めなくなったりというデメリットがあります。
ですがブラックリストに掲載されたとしても、まわりにバレることは基本的にはありませんので安心してください。
その点も相まって、他の債務整理よりメジャーな方法になっています。
個人再生とは、裁判所を通して借金を大幅に減額する方法のことをいいます。
個人再生は以下の流れにそって行います。
減額した借金は3~5年で返済していきます。
複雑な手続きにはなりますが、借金を大幅に減額できる点と、自己破産と比べて住宅を手放さずとも債務整理できる点が大きなメリットになっています。
ブラックリストに登録されるのは任意整理と同様ですが、加えて官報にも掲載されてしまいます。
官報とは国が発行する機関誌のことで、この中に個人再生についての項目があり、合計3回掲載されることになります。
裁判所によって手続きが開始されたとき、書面決議が決定されたとき(債権者の聴取を行うことが決定されたとき)、計画の認可がおりたときの3回です。
名前や住所も一緒に掲載されてしまうため、家族や会社にバレてしまう可能性は十分にあります。
ですが官報は毎日発行される上に、膨大な量の情報が掲載されます。
加えて一般の方が読む機会もめったにないため、他人にバレる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
自己破産とは、裁判所を通して借金を全額免除してもらう方法のことをいいます。
任意整理、個人再生と違い、自己破産は借金が全額免除になります。
借金がまったくの0円になり、返済の義務もなくなります。
また自己破産といっても、99万円以下の現金、20万円以下の預金、時価20万円以下のものは手元に残すことができます。
ブラックリスト、官報に掲載される点は任意整理、個人再生と同様です。
大きなデメリットとして、住宅や車など高額な財産は手放さなければなりません。
引っ越しが必要になるため、今までの生活がガラッと変わってしまうでしょう。
また同居している家族はもちろんですが、会社にバレてしまう可能性も高いです。
というのも、自己破産に必要な書類の中に、「退職金見込額証明書」があります。
これは働いている会社から発行してもらう、現時点で退職金がいくらもらえるのかを証明するための書類です。
発行してもらう際に、発行理由や提出先を説明しなければならないため、会社にバレてしまう可能性があります。
自己破産は「借金が高額すぎて、現実的に考えて払いきれない…」という方に向けての、最終手段の方法になっています。
他の債務整理の方法と比べてもデメリットが多いため、慎重に判断しましょう。
コロナの影響により、借金やローンの返済が難しくなった場合、まずは借入先の銀行やクレジットカード会社へ相談することが大切です。
借入先もコロナによる現状を理解しているため、返済額の減額や期限の猶予をもらえたりなど、リスケジュールの対応をしてもらえます。
他にも融資や給付金を受けるなど、早めに生活や事業を立て直す計画を立てましょう。
相談もせずに借金・ローンを滞納してしまうと、督促状や催告書が自宅に送られてくるようになり、最終的には給料が差し押さえられたり、住宅が競売にかけられたりと深刻な状況になってしまいます。
そうなってしまってはもう取り返しがつきません。
また、「借金が払えそうにない…」と感じたら、最終的には債務整理を行うのも1つの手段として考えておきましょう。
この記事を読んだあなたが、コロナによる借金の不安がなくなり、安心した毎日を送れるよう祈っております。