コラム

コロナで変化していく消費者行動。コロナ後の世界に対応する準備を

新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が発令されて、人との接触を避ける「ソーシャルディスタンス」が重要になりました。

それに伴い、外出を自粛したり、テレワークに移行せざるを得なかったりと、自らが望んだのではなく強制的にライフスタイルを変化させられた人も多いでしょう。

必要なものはオンラインショッピングで揃えたり、外食せずにUber Eatsなどの料理宅配サービスを頼んだりと消費者行動が急激に変化しています。

しかし、実際にどのように変化しているのかはわかりにくいですよね。

この記事では

  • 買い物における優先度の変化
  • 女性のエシカル消費に対する意識の向上
  • 実店舗の可能性
  • 「外から家」に変化した消費者意識
  • 消費行動の変化による生活の満足度

について解説します。

この記事で大きく変化していく消費者行動を知るきっかけになれば幸いです。

買い物における優先度が変化。嗜好品よりまず健康管理に必要なものを

アクセンチュアの調査結果によると、新型コロナウイルスは消費者の買い物における優先度を変化させていることが明らかになりました。

主な調査結果は下記のとおりです。

  • 服や美容品、家電などよりも衛生用品、缶詰、生鮮食品の購入を増やした
  • 食品廃棄物の削減に興味をもった
  • 健康的な食事を意識するようになった
  • 商品を購入する際に持続可能かどうかで決定するようになった

このような買い物における優先度の変化は、新型コロナウイルスの収束後も継続していくだろうと半数以上が回答しています。

回答者の中で食料品を初めてオンラインショッピングで購入したと20%が回答しており、すべての商品をオンラインショッピングで揃えている割合は32%を占めているという結果に。

さらには自宅に居る時間が増えて、スマートスピーカーやスマート家電などのデジタル家電に興味を持ったと半数以上が回答しています。

また、三井住友カード株式会社のコロナ影響下の消費行動レポートでは、新型コロナウイルスがきっかけでオンラインショッピングを利用した高齢者の増加率は20~30代よりも大きいことが明らかになりました。感染拡大を防ぐためにオンラインショッピングを活用しようとする高齢者の消費に対する行動の変化によるものでしょう。

新型コロナウイルスは、オンラインショッピングやデジタル家電に今まで興味がなかった層や高齢者まで一気に購買意欲を普及させるほどです。このような消費者行動の移行は通常長い時間がかかります。

しかし、消費者の買い物に対する意識が急速に変化したため、企業の対応も早急に必要になるでしょう。消費者は継続して利用できる衛生的な商品を選択するようになるため、企業も消費者のニーズを捉えながら商品を改善していかなければなりません。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000249.000019290.html

参考:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001527.pdf

オンラインショッピングが主流に。実店舗に残された道はあるのか

スーパーやコンビニエンスストアのレジに並ぼうとすると「2メートル」ごとのテープが床に貼られて、レジの前にはビニールカーテンがぶらさがっており、ゴム手袋をしてマスクを付けた店員が接客をしている。

小売店ではこのような新型コロナウイルスに対する予防策を講じており、もはや日常的な光景になりつつあります。

もちろんスーパーやコンビニエンスストアだけでなく、アパレル業界にも影響が及ぶでしょう。

陳列された服は大丈夫なのか、店員はきちんと消毒しているのかなどと、常に感染リスクが気になり、「服を試着する」ことができなくなるかもしれません。

店員側も接客はなるべく丁寧にするという当たり前の認識が崩れてきています。

このように、買い物で外出すること自体が感染リスクを高めることにつながり、今後オンラインショッピングが主流になるでしょう。

実店舗としての対策は下記が考えられます。

  • 店舗への入場制限
  • 完全な無人店舗への移行
  • 実店舗をVRで作り出して、自宅に居たままウィンドウショッピングを楽しめるようにする

けれども自宅で過ごす時間が長くなることで服装への興味がなくなり、企業のブランド力や消費意識も薄れていくと考えられ、実店舗には深刻な影響を及ぼす可能性があります。

女性は男性に比べて新型コロナウイルスに対する危機感やエシカル消費への意識が高い

第一生命経済研究所の新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査では

  • トイレットペーパーやマスクなどの消耗品を大事に使いたい
  • 買い占めや転売など、自分さえよければいいという消費行動はとりたくない
  • 社会や環境のことまで考えた消費行動を日頃から考えたい

といった社会に配慮したエシカル消費への意識は、男性よりも女性の方が高いことがわかりました。

新型コロナウイルスに関する不確かな情報が出回り、トイレットペーパーの買い占めが起こったことでこのような意識が生じた可能性もあります。

また、学校が休校になり給食で使用される予定だった食材が不要になったことで「食品の無駄をなくし、廃棄が出ないようにしたい」という意見も。

新型コロナウイルスに対する危機感の大きさから上記のような意識を女性は持っていますが、決して自分さえよければいいという考えからではなく、エシカル消費に意識を向けた消費行動を行っていることがわかります。

参考:http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/ldi/2020/wt2005d.pdf

宿泊業や外食産業に大打撃。消費者意識は「外から家」へ

「Yext, Inc.」による世界の検索動向では「ホテル」や「外食」に関する検索数が昨年比-46%と減少。

「ホテル」に関しては新型コロナウイルスによる影響で各国の先行きが不透明なためと考えられ、「外食」は休業した店舗が多くなることで検索が減少したことに。

さらに

  • レジャー施設
  • 旅行代理店
  • 美術館、博物館
  • 映画館、劇場
  • 交通機関

における2020年3月のクレジットカード決済件数と決済額が落ち込んでおり、企業の営業停止や消費者の「3密」を回避する行動を顕著に表しています。

反対に、速報ニュースアプリ「ニュース・地震速報NewsDigest/ニュースダイジェスト」やフードデリバリー「Uber Eats」、ファッションEC「UNITED ARROWS公式アプリ」の利用者は増加しており、これらのアプリを初めて利用したという人もいるはずです。

またJ-marketing.netのアンケートによると「新型コロナウイルスをきっかけにやめたこと」という質問で下記の回答が上位に位置しました。

  • 外食に出かけること
  • 1時間かけて買い物に出かけること
  • 自宅や友人や知人を招くこと

このような結果は外出自粛や自宅で楽しむ「巣ごもり消費」が増加したことが原因でしょう。

新型コロナウイルスは、自身だけでなく他者に対する付き合いまで消費者行動を変化させ、さらに消費意識の方向を「外から家」に転換させています。

参考:https://www.yext.co.jp/wp-content/uploads/sites/11/2020/04/yext-corona-virus-search-trend.pdf

参考:https://manamina.valuesccg.com/articles/823

参考:https://www.jmrlsi.co.jp/concept/report/consumption/rev2004.html

参考:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001527.pdf

消費者行動の変化により生活の満足度も一変した

総合マーケティング支援を行うネオマーケティングが実施した調査結果によると、食生活への満足度が2017年と比較して6.8ポイント増加しています。

会社に通勤するストレスがなくなったことや栄養のバランスを考えた食事作りが増えたためと考えられます。

反対に「買い物ができずにストレスがたまる」「食費が多くなった」、「オンラインショッピングの買い物が増えた」というマイナスの意見も。

新型コロナウイルスにより、旅行やレジャー施設に出かけられない代わりに、自宅で過ごす時間を充実させる方法やストレスへの対処法が必要になってくると思われます。

参考:https://www.neo-m.jp/investigation/2493/

当たり前だったことが常識ではなくなる。変化する社会に対応を

この記事で紹介した消費者行動の変化に伴い、生活に対する価値観や意識も一変していくことでしょう。

今後、コロナと共存しなければならない「ウィズ・コロナ」の時代が到来しないとは限りません。

新型コロナウイルスに対抗できる最も強い人や最も賢い人が生き残るのではなく、唯一生き残れるのは、変化していく社会を受け入れられる人ではないでしょうか。

Published by
野本 一貴