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新型コロナウイルスの感染拡大によって欧米では日本人がリスクに?

欧米では新型コロナウイルスが猛威を振るい、多くの感染者と犠牲者を出している。そして7月17日現在、フランスでは新型コロナウイルスの感染が国内で再び増加していることから、第4週以降、店舗など公共空間でのマスク着用を義務化される。イングランドでも24日から同様の措置が取られる予定で、既にドイツやイタリア、スペインではそれが義務付けられている。新型コロナウイルスの感染拡大は世界で続いており、米国ではこれまでの感染者数が300万人、ブラジルでは200万人を突破し、インドでは100万人を超えた。

しかし、怖いのはウイルスだけではない。今後は失業の悪化や経済格差の拡大などコロナショックによる影響で、窃盗や強盗などの犯罪が増加し、経済や雇用状況の改善を求める若者によるデモや暴動などが発生することが懸念される。

そして、欧米諸国にいる日本人が最も気を付けないといけないのは、アジア系を狙った嫌がらせや暴力である。例えば、ニューヨークにあるチャイナタウンのグランド・ストリート地下鉄駅では今年2月、マスクを着用した中国系女性が男に暴行される事件があった。男は、同女性に「近寄るな、病人」など罵声を浴びせ、殴る蹴るの暴行を加えた。ロサンゼルスでも2月、アジア系の男子中学生が同級生に暴行され、病院へ緊急搬送される事件があった。ロサンゼルス当局はアジアに対するヘイトクライムが増加していると発表した。
 フランスでは、パリ郊外のブローニュビヤンクール市で2月、中国人が経営する日本食レストランに、「コロナウイルス出ていけ、ウイルス」と書かれた差別的な落書きが発見された。日本食レストランの中国人経営者は恨みを買うようなことをしたことは身に覚えがないというが、その後、同レストランは休業に追いやられた。

欧米諸国では、中国人と韓国人、日本人と台湾人を正確に見分けられる人は少なく、現状であれば、目が黒い、髪が黒いというだけで狙われるリスクがあるといえる。よって、海外にいる邦人が暴力や嫌がらせに遭うことは十分に考えられ、新型コロナウイルスの感染拡大の長期化は大きな懸念材料である。欧米諸国に滞在する邦人は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う嫌がらせや暴力に巻き込まれないようにする必要がある。

また、嫌がらせや暴力だけでなく、テロにも注意が必要となる。特に、欧州では白人至上主義者によるテロ事件が相次いで発生している。白人至上主義者は、新型コロナウイルスによって生じた被害の隙を突く形でリクルート活動などを活発化させ、勢力を拡大させることが懸念されている。新型コロナウイルスの感染拡大によって生じた社会経済的な不満や怒り、これは欧米に在住する日本人にとって新たなリスクとなる。

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