コラムコロナ健康・医療・生き方

各国でコロナ第二波到来 自粛復活も 日本は大丈夫?

新型コロナウイルスの拡大で政府が緊急事態宣言を出した4月に比べ、現在では世界の新型コロナウイルスの感染情報について報道される機会が減少しています。この報道の減少は新型コロナウイルスの減少に伴うものではなく、2020年9月26日には世界の新型コロナウイルス感染累計者数は3260万人を超え、死者数は99万人に達しています。1日に約30万人前後の方が感染し続けている現状です。

世界保健機構の公表している世界各国の感染者の推移を見ると、第二波が到来していない国を探す方が難しく、2020年9月26日時点で第二派が到来していないとはっきり言えるのは中国、チリ、タイなどでそれらを除いた各国ではじわじわと新規感染者数が増え続けています。

既に新型コロナウイルス第二波により新たな措置を導入している国

特にヨーロッパでの新規感染者数は増加傾向にあり、スペインでは新規感染者数が4,000人を超える日が続いています。スペインで実施されていた非常事態宣言に伴う移動制限が解除された6月には新規感染者数が100人台だったことを考えると、現在の新規感染者数が増加していることは一目瞭然です。こうした事態を受け、すでにスペインでは州単位での移動制限や営業時間の短縮など具体的に新型コロナウイルスの感染拡大防止対策が開始されています。

このような感染拡大防止対策が再び行われている国は少なくなく、全面ロックダウンを行っているのはイスラエル、移動制限を行っている国はオーストラリア、ベルギー、ベトナム、フィリピンがあげられます。またイギリスやフランスでは営業時間短縮が新たに開始しました。

第二波への取り組み国名開始時期
ロックダウンイスラエル
フィリピン
スペイン
2020年9月13日~
2020年8月4日~2020年8月28日
2020年9月25日~
移動制限オーストラリア
ベルギー
ベトナム
2020年8月2日~
2020年7月30日~
2020年7月31日~
営業時間短縮イギリス
スペイン
2020年9月22日~
2020年9月25日~

日本は今すぐに第二波のために緊急事態宣言を行うべきか?

このように世界各国が新型コロナウイルスの第二波に対し、新たな措置を導入しているのを見ると日本の政策に対し不安を覚える方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省オープンデータを元に作成

上記グラフの通り日本でも緊急事態宣言解除後に新規感染者数が増加していますが、現在では横ばいの状態が続いています。また1日の感染死者数も新規感染者推移と同様の動きを見せています。

新型コロナウイルス第二派により新たな措置を導入している国では、この感染者数の推移または死者数の推移が2週間前の10%を上回るなど、新型コロナウイルスの感染が急激に上昇しています。また第一派の段階で医療的崩壊を引き起こしていた国であることも注目するべき点です。

これらの国と比較して考えると、新型コロナウイルスの重症化率、また死亡率が非常に低い状態をコントロールすることができている現在の日本はすぐにでも緊急事態宣言を行う必要がある危機的状況ではなく、日本が新型コロナウイルスに対する新たな措置、つまり再び緊急事態宣言を行うような状況が必要であった時期はすでに脱していると考えられます。

感染症の終息宣言は主に、「潜伏期間の2倍に達する時期を超えて新規感染者が出ないこと」が条件になっていることが多いです。このことを考えると新型コロナウイルスに対する終息宣言はまだまだ目に見えるものではありませんが、これがすなわち緊急事態宣言に直結する問題ではないことは先ほど説明した通りです。

どの国も終息宣言を目指した新たな措置の導入を行っているわけではないのが現状です。

今後日本がロックダウンする可能性はあるのか?

今後日本がロックダウンする可能性は極めて低いと言えるでしょう。そもそも海外のような強制措置を行うことは法律上のハードルの問題で行うことができないためです。

では、2020年4月に実施された不要不急の外出自粛要請としての緊急事態宣言が行われる可能性はあるのでしょうか。前厚生労働大臣である加藤議員は8月時点で「感染者が急増した場合には再び緊急事態宣言」を行う可能性があると考えを示していましたが、同じ時期に当時官房長官であった現・菅総理は「現時点で緊急事態宣言を再び行う状況にはない」と発言しています。

どちらの意見を見ても分かるように「現時点では緊急事態宣言はない」というだけで、今後の状況次第ではどのような対応になるか分からないというわけです。今後新規感染者数が急増し、死者数も増加するとなれば再び緊急事態宣言が出される可能性はあると言えるでしょう。

着目するべきは新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム

緊急事態宣言をただちに行わないからと言って、何も政策が行われていないわけではないことは必ず理解しておくべきことでしょう。新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システムでは、単に感染者数だけではなく病床数の情報や人工呼吸器の稼働状況を確認することができます。

残念ながらこのシステムは新型コロナウイルス第一波の最中に確立されていったものであるため、人工呼吸器の稼働状況などを4月時点と比較することは不可能です。日本で新型コロナウイルスの感染がはじめて確認されたのは2019年1月16日、そこから半年以上が経過した現在、新規感染者数や1日あたりの死者数だけではなく、より多角的に新型コロナウイルスの発生状況を知ることで、より具体的に新型コロナウイルスを理解することこそ、正しく恐れるの本質だと言えるのではないでしょうか。

同時に厚生労働省が開発した新型コロナウイルス接触確認アプリも、今後の感染拡大防止に有効的でしょう。すでに新型コロナウイルス第二波で新たな措置を導入している国々でも、感染経路不明者が増加すると同時に感染者が急増したと考えられています。新型コロナウイルス接触確認アプリを利用することによって、陽性者と接触した可能性を知ることができれば、それだけ早い段階で感染経路を特定し二次感染を防ぐことができます。

緊急事態宣言だけが新型コロナウイルスに対する措置ではないことを理解した上で、すでに前回同様の行動制限を行うというような新たな措置を実施している国と比較し、また前回の緊急事態宣言時と比べても危機的状況とは言えない今の日本では、菅総理が9月16日の就任会見で述べた通り「新型コロナウイルスの感染防止と経済再生の両立」を目指す段階に来ていると言えるのではないでしょうか。

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