米国食品医薬品局 (FDA) は、 TikTok などのSNSで「ベナドリル・チャレンジ」への参加をやめるように警告文を発表しました。
「ベナドリル・チャレンジ」とは、大量のベナドリルという薬を服用することですが、幻覚を見るなどの副作用起き、その姿を動画にして投稿するということのようです。
そもそもベナドリルは、アレルギーや不眠の治療に頻繁に使用される市販の抗ヒスタミン薬であり、安価で入手しやすい穏やかな鎮静薬です。
ベナドリルのウェブサイトによると、成人の安全な最大投与量は1日300 mg、または3~4時間ごとに1回25~50 mgです。過剰に摂取すると、心拍数の増加、錯乱、吐き気、耳鳴り、低血圧、昏睡などを引き起こす可能性があるといわれています。アルコールなどの他の薬と相互作用して、眠気などの一般的な副作用を悪化させることもあります。
低用量のベナドリルの服用は一般に安全であると考えられていますが、ベナドリルの長期使用は、たとえ通常用量であっても、将来の認知症の潜在的リスクと関連しているため、一部の医療専門家は特に毎日の使用を控えるように指導しています。
このように簡単に入手できるベナドリルを使い「ベナドリル・チャレンジ」 に参加した後、テキサス州の10代の若者3人が入院する事態となりました
彼らは「ベナドリルを10回以上服用するとハイになり幻覚を見ることができる」といった内容の動画を見たと話しています。
患者の一人である14歳の少女は、夜中に14錠を服用し、重度の酩酊状態にあるところを家族に発見されました。この少女の母親は、「怖かったです。彼女は幻覚を見ている様でした」と病院職員に話しています。
彼女は翌日には完全に回復し帰宅しましたが、病院のスタッフは他にも真似する若者が出てくるのではないか、と心配しています。
米国食品医薬品局 (FDA) によると、死亡した十代の若者もいるとのことです。
某局は、これらの報告を調査し、さらなる症例が報告されているかどうかを決定しようとしています。現在はTikTokに対して、動画への削除要請を出しています。
以前よりTikTok上では、薬物を試してみるという動画が広く存在していたとのことです。
参照:https://www.insider.com/benadryl-challenge-tiktok-fda-remove-videos-overdose-teens-2020-9