コラム

人工衛星が夜空の景観を台無しにする…?増え続ける衛星に天文学者が苦言


SpaceX社は1月29日、60機の人工衛星を宇宙へ打ち上げました。いずれは12,000個の衛星からなるネットワークを構築する計画です。これは大量の人口衛星によって、あらゆる場所にネットサービスを提供することを目指しています。

しかし天文学者は、地球を周回する衛星の数が増えることで、観測が難しくなっていることを懸念しています。

人工衛星は太陽光を反射する金属でできています。
そのため、地上から観測している天体に対して、影響を及ぼしてしまうのです。人口衛星が、天文学者が見ようとしている天体の真正面を通過してしまい、天体が見えなくなってしまうこともあります。
また、衛星の光は非常に明るいので、遠くの星や惑星の暗い光を遮ります。

更に、電波望遠鏡に対する影響はさらに顕著です。
どんな人工衛星も、地上と多くの通信をしているわけなのですが、この余分な信号が、銀河系の遠くから届く電波と干渉してしまうのです。

光を反射しない表面を持つ人工衛星を作ることは可能かもしれませんが、電波を反射しない人工衛星を作ることはほぼ無理です。このことも問題を深刻化させています。

1957年以来、人々は人工衛星を宇宙に打ち上げてきました。
人工衛星は、携帯電話、テレビ、インターネットなどの通信ネットワークの形成に有用です。また、天気や気候や地図やGPSのようなナビゲーションシステムを操作したり、地球、太陽、惑星、深宇宙の写真を撮ったりするためにも使われています。
「観測よりGPS等の技術が優先だ!」と思われるかもしれませんが、それら技術が編み出されてきたのは、彼ら天文学者がひたすら観測を行っていたからこそ、ということも忘れてはいけません。

現状、衛星を打ち上げられる資格や、一度に何個の衛星が地球を周回できるかなどのルールはありません。

国際天文学連合(IAU)は、人工衛星を打ち上げる会社や政府と連携し、打ち上げる際のルール作りを行うことを望んでいます。

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