“偽の卵”をつくってウミガメ密猟者を追跡!

世界には7種類のウミガメが存在して、そのすべてが絶滅の危機に瀕していますが、卵の密売がその問題を更に深刻なものにしています。

そこで科学者たちは、GPSトラッカーが内蔵された偽の卵を使って、絶滅の危機に瀕しているウミガメを保護するためのハイテクな方法を考え出しました。

キム・ウィリアムズ・グレンさんは、コスタリカの動物保護団体で働く科学者です。テレビ番組を見た後、彼女はあるアイデアを思いつきました。
GPSトラッカーが内蔵された偽の卵を使って、密猟者の位置を特定できないのか?彼女はその後、他の科学者と協力して、偽の卵を作成しました。

彼らは特殊な材料を使用して、フニャフニャしたピンポン玉のようなものを3Dプリンターで作成しました。科学者たちは偽の卵内にGPSを入れ込み、それにより1時間に1度、場所を追跡することができるようになります。
キムさんは完成したデバイスを「InvestEGGator」と名付けました。

早速コスタリカのビーチにインベストエッグゲーターを仕掛けました。
その結果、ほとんどの卵が現地の人に売られていることがわかりました。
コスタリカでは、亀の卵は特別な食べ物とされているので高く売れたようです。
そしてビーチで採取することは法律違反ですが、購入することは違法ではありません。

一般的に、野生動物の犯罪を解決するために活動している人たちは、地元の人たちよりも、大規模な犯罪集団に興味を持っています。
多くの卵が売買されていると思われる場所を追跡することで、犯罪者を特定するのに役立つかもしれないと研究者は考えています。

科学者たちは「InvestEGGator」の結果に興奮しており、他の場所でも役立つ可能性があると考えています。

例えば、サメはヒレのために大量に殺されることが多いですが、サメと一緒に偽のGPS追跡フィンを滑らせることでサメの保護が可能になるかもしれないと考えています。

Published by
安藤隆史