野党や専門家だけでなく、twitterやSNSなど様々な場所で「消費税減税こそ景気への特効薬」というような意見を多く目にしますが、実際のところコロナ禍経済対策としての消費税減税によって景気は良くなるのでしょうか?
今回は、実際に減税した国について調査してみました。
日本共産党中央委員会の記事によると、7月の時点で19カ国が付加価値税の減税を実施しているということ。現在では、驚くことに既に20カ国以上が減税に踏み切っています。
付加価値税(VAT:Value Added Tax)とは、日本で考える消費税のようなもので、商品やサービスを購買する際に課せられる間接敵な税金ですが、ヨーロッパ諸国や一部アジア諸国など広範囲で適用されています。
現状様々な国で減税されている付加価値税の内容は宿泊施設やレストラン、交通機関、書籍など国によって対象となる内容は様々であり、各国の動きを受け、日本でもいち早く減税処置を行うべきだという意見も多数あります。
参考:https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-07-24/2020072401_01_1.html
現状20カ国以上が減税を行っていますが、7月の時点で実際に消費税減税を実施した国は以下の19カ国で、多くの国では年末まで減税を実施予定です。
(一律減税ではなく、コロナで損害をうけた業種のみを減税した場合も含む)
・ウクライナ(4月~年末) ・オーストラリア(7/1~年末)
・キプロス(7/1~来年1/10)・ギリシャ(6/1~年末) ・ケニア(4/1~終了日未定)
・コスタリカ(未定)・コロンビア(5/25~年末) ・チェコ(7/1~年末)
・ドイツ(7/1~年末) ・トルコ(4/1~11月末)・ノルウェー(4/1~年末)
・ブルガリア(7/1~年末) ・ベルギー(6/8~年末)・ポルトガル(4月~終了日未定)
・モルドバ(5/1~年末) ・リトアニア(~年末)・英国(7/15~来年1/12)
・韓国(~年末) ・中国(5月~年末)
参考:https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-07-24/2020072401_01_1.html
そもそも消費税減税には消費を呼び起こして経済を活発にする可能性があり、それに加えて減税が開始するまでの期間に消費を抑える効果があります。
そのため、高額商品を中心に「今すぐに必要でないもの」であれば消費者は減税期間に購入しようとすることから、減税開始までの一定期間の外出機会の軽減が見込まれ、一時的なコロナ感染対策にも効果的だと予測されます。
ただし、政治的観点も踏まえて減税はすぐに実施可能なものではないため、実際に減税されるまでの期間は一時的に景気が大幅に後退する可能性も否めません。
そんな中であっても、共同通信社による世論調査において、コロナによる景気の後退対策として望ましい施策として43.4%もが消費税減税対策を挙げており、その次が現金給付(32.6%)という結果になっています。
また、日本共産党委員長の志位和夫は10/13のtwitterで、日本世論調査会で期限を切った減税や廃止を求めることの賛成意見が53%となった旨を述べています。
消費税を減税することは消費者には大きなメリットがありますが、販売する企業側には値札の変更や社内システム内、レジの消費税価格の設定変更などの大きなコスト負担や人件費負担がかかることになり、消費税減税期間が終了すると再び同様の処置が必要とされることが問題視されます。
その他、減税後に消費者の外出機会が集中する可能性を考慮すると、コロナの感染拡大の要因になる、税収が減るなど、販売側におけるデメリット以外にも消費税の減税によって起こりうるデメリットは多くあります。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/03b9c76f4243a7e32e25fef206ef51d392c46902 https://news.yahoo.co.jp/byline/nakatadaigo/20200311-00167293/
ドイツでは減税によって特定の商品や高額商品に関しては売上が上がっている会社もあるようですが、景気全体が決定的に大きく変化したという報告がないのが現状です。
ドイツの小売売上高に関しては、9月発表分(7月売上高)で前月比-0.9%。消費全体においては効果が見られていないことが分かります。
イギリスに関しても、現状では決定的な効果に関する報告はでておらず、専門家によっては消費者が新型コロナの感染恐怖の状況下におかれている期間に減税を行っても、それほど効果はでないのではないかという意見も未だあります。
しかしながら、減税対策だけの効果ではありませんが、幻冬舎ゴールドオンラインによると中国では早くも景気が大幅に回復。
特に、鉄道の減税によって物流コストを削減したことが鉄道貨物輸送量の増加(4.5%増/前月比)をもたらしていると考えられています。
参考:https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2020/07/0707.html https://equity.jiji.com/oversea_economies/2020071900192
https://gentosha-go.com/articles/-/26593
与野党や自民党内、専門家たち、twitterやSNSなどで「消費税減税こそ景気への特効薬」というような意見を多く目にしますが、専門家たちの意見は本当に様々でデメリットの方が大きいという意見も数多くあります。
税理士ドットコムが行った税理士へのアンケート結果では、10%(軽減税率8%)のまま維持すべきだという意見が最も多い33.8%となり、減税が経済対策に効果をもたらさないという意見や税率の変更によって生じるコストが大幅にかかるなどが理由として挙げられていますが、そもそも10%を8%にしたところで消費活動を大幅に上げることができるのだろうか、という疑問も残ります。
また、日本の消費税は他先進国に比べても低いです。(イギリスは20%・ドイツは19%→16%)
現在の日本が10%から更に下げることは、たしかに他国と同じことではないかもしれません。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/a07b0a255e7ad0f2d4f3f831f39f8ff1465ee59c
今回は、日本の消費税に匹敵する付加価値税などの減税に関して、実施国や現状の効果を中心に調査しましたが、20カ国以上の国で減税処置を行っているものの、未だ大きな効果は見られていないようです。
日本国内でも住宅ローン減税に対する控除期間延長についての検討が進められていますが、コロナにおける景気後退に対する処置に対して、減税のみならず様々な視点からのアプローチが今後必要になるのではないでしょうか。
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この記事を書いたやつは
財務省のまわしもの
デフレの時に消費税を上げるバカがどこにいる
0にすればいい
まさか国債で破綻するなんて
まさか言わないよね‼️
相変わらずヨーロッパと比べるとこうなるっていうその国の経済事情を無視した記事ですね。輸出で国をGDP を稼ぐヨーロッパに対して日本は内需でGDPを稼ぐこの事を書かない時点でこの記事は読むに値しない、財務省のレポート通りに書くなら誰にでも出来ます。因に日本は500兆円の内6~7割を内需(国内で稼ぐ)で叩き出す国家である。
最も高い消費税率(付加価値税)だけを比較されて、日本の消費税は低いと言われてもねぇ。付加価値税が軽減されている品目の範囲や税率まで比較してもらわないと、あえてミスリードしようとしてますか?
そもそも消費税などの国民からの税収で国の運営をなんとかしようとしてるのがおかしい、少子高齢化進みまくってるから、確実に税収は少なくなり続ける。消費税上げるにしても国民が暮らしていけないくらいキツイ税率にするわけにもいかないから限界がある。
「税金や国債の本当の使われ方と役割」に目を向けた方がいいんじゃないか?
国債が借金っていう発想もかなり誤解だよね