Categories: コラム未分類

銀行に電話をかけたはずなのに電話の相手は詐欺師……誰でも騙されそうな、韓国でおきている巧妙な詐欺

あなたのもとに、警察から電話が来たとしましょう。

「金融詐欺にあなたの口座が使われている可能性があります」

もちろん用心深い方なら「これは詐欺なのではないか?」と思うでしょう。
そこであなたはネットで調べた銀行の番号に電話をかけ、そのような事実がないか確認します。
すると驚くことに銀行員はこういいました。

「確かに不正な取引が確認されています。ひょっとしたら捜査のために、あなたの口座が凍結されるかもしれません。今なら安全な退避用の口座を用意できますがどうしますか?」

あなたが書けた番号は、確かにネットで出てきた公式のサポート番号です。
通帳やキャッシュカードにも同じ番号が載っています。
あなたはこの状況で騙されない自信がありますか?

電話をハッキングする手口

この詐欺は、実際に韓国で起きている詐欺事件です。

この詐欺は詐欺組織が被害者のスマートフォンにウイルスを仕込んだアプリを設置することから始まります。
その後、犯罪組織は、金融会社や警察などを名乗って、「金融詐欺に関わっているので、確認してください」というふうに連絡を取った後、悪質なアプリで被害者のスマートフォンを監視します。

被害者が金融会社の代表番号や110などに電話をかけ、確認しようとすると、詐欺師が電話を横取りし、自分らにつなげて安心させ「預金を保護するので、今から指定する口座に振り込んでください」と主張するのです。

……たいていの詐欺には引っかからない自信がある人でも、これを回避するのはさすがにむつかしいのではないでしょうか。
かかってきた電話や、SMSで指定された怪しげな電話番号は警戒したとしても、公式サイトに載っている銀行の電話番号や、110番を信用するな、というのはかなりハードルが高いです。

韓国の報道によると、このようなSMSフィッシングメールや悪性アプリの発見件数は450件に達し、ユーザーのスマートフォンから盗み取った情報を犯罪組織に伝えるサーバーを遮断した件数は2,500件を超えたとのことです。

対策としては
「appleやgoogleが承認しているアプリ以外を入れない」
「怪しげなSMSやメールのリンクを開かない」
「警察や銀行を名乗る人間でも「ここに振り込んでください」といった情報を信じない」ことが勧められています。

Published by
安藤隆史