ポップカルチャー投資

アニメバブルが来る!?鬼滅の刃やコロナ禍で俄然注目が集まっているアニメ業界

なにか最近アニメ関連のニュースを聞くことが多いな、と思われますか?
実はそれ、気の所為ではないかもしれません。

もちろん年々アニメ市場は広がっているのですが、それにしてもここ数ヶ月、アニメ業界が活気づいた、と思われる方は多いでしょう。
単純に今季(今クール)だけをみても、豊作だという意見が多く散見されます。

実際に明るいニュースが多い

そしてこれは個人の感覚だけでなく、実際にアニメ関連のニュースは数多く報じられています。

いくつか上げてみましょう。

映画「鬼滅の刃」歴史的な興行収入記録を樹立

今一番熱いニュースですね。
このニュースは普段アニメを見ない一般の方にも知れ渡りましたし、また、公開週には「海外の映画館を併せても鬼滅の刃の記録に叶わなかった」と、海外でも大変驚きを持って迎えられました。

Netflix、アニメ会社4社と新たに業務提携

今月23日、動画配信サイトの巨人Netflixが、新たにアニメ制作会社4社と業務提携したことを発表しました。

Netflix、MAPPAなどアニメ制作会社と新規作品に向け業務提携https://www.phileweb.com/news/hobby/202010/23/3803.html

新たに契約したのは
「ANIMA&COMPANY(NAZ)」「サイエンスSARU」「Studio Mir Co., Ltd.」「株式会社MAPPA」
の4社です。

Netflixは、世界で最も高いコンテンツ制作予算を使っていることでも知られています。その額約2兆円。日本のアニメ制作の市場規模が2,400億円であることを考えると、以下にそのパワーが凄まじいかがわかります。


現状アニメ業界は、作業メンバーの異常な低賃金が問題になっていますが、Netflixの豊富な資金により、この待遇改善が行われれば、業界の健全化も図れるかもしれません。

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」累計興行収入は15億円を突破

「鬼滅の刃」の圧倒的な成績に隠れてしまいましたが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの映画も大成功しました。

このアニメを知らなくても制作した「京都アニメーション」の名前は、ご存じの方が多いかもしれません。
あの悲惨の放火事件があったアニメーション制作会社です。
あの事件が起きた際、この映画データを収納していた記録媒体ごと、火災に飲まれてしまいましたが、専門家の協力の元データの復元に成功。

しかしそのような前提を抜きにしても、すばらしい名作です。
上映館が限られている中でも、スクリーンアベレージ(興行収入をスクリーン数で割った金額)は4週連続で1位を記録しました。
この作品は、TV版がNetflixで全世界同時上映されたこともあり、海外のファンも多いのですが、なんと12月10日からアラブ首長国連邦での映画放映も決まったそうです。

「極主夫道」「スプリガン」「東京BABYLON 2021」「ゴジラ S.P」等大物タイトルのアニメ化が発表

そして名作のアニメ化も続々決まっています。
「東京BABYRON」は、1990年にCLAMPが連載したコミックですが、1992年・1994年にOVAとしてアニメ化されたタイトルです。古い作品ではありますが、その後CLAMP自体が数々の名作を生み出したため、多くのファンがいるタイトルでもあります。

他にも80年代のバトル漫画「スプリガン」や「ゴジラ」の新作アニメーション等、数多くの大物タイトルがアニメ化されようとしています。

なぜアニメ業界が活気づいているのか

この活気について、自然と沸き立っているというのも確かなのですが、いくつかの裏付けも存在します。

「鬼滅の刃」の成功により、アニメーションの広報能力が見直された

まず「鬼滅の刃」ですが、今まさに頂点を入っているこのタイトルも、じつはアニメ化以前はそこまで飛び抜けたヒット作品というわけではありませんでした。

アニメ化以前の部数は350万部と、悪くはありませんがジャンプの看板になれるような部数ではありませんでした。
それがアニメ終了時には一気に1200万部を販売。
そして今月(10月)始めには1億部を突破する等、驚異的な販売部数を記録。これまでコミック販売ランキングは、基本的に「ワンピース」の独占が多かったのですが、アニメ化以降むしろランキングは「鬼滅の刃」が独占することも多く見られました。

この大成功によって、アニメへの投資は「ハイリターンも望める投資先」として認知されたのです。
(投資の話は後述します)

コロナ禍による”コンテンツ産業”の爆発

そして今は何をするにしても、関わってくる話題があります。
コロナ禍です。コンテンツ業界にとって新型コロナウイルスの拡大は大きな意味を持ちました。

これまでレジャー・旅行・飲食・ショッピング・スポーツといった多岐に渡る娯楽には、凄まじい額の費用が注ぎ込まれてきました。
そしてまさしく人の営みと呼べるそれらの娯楽は、コロナ禍により一変。「自宅にいなければいけない」という、現在の人類がほとんど経験したことのない状況に追い込まれました。

その中でできる娯楽は限られます。
コロナ禍で儲かった娯楽産業は多くありません。
コンテンツ産業はその少ないうちの一つです。

そしてそのコンテンツ産業の中ですら、生き残った業界と打撃を受けた業界があります。
ハリウッド映画の多くは、コロナ禍で撮影を中止。いくつかの撮影は再開しましたが、現在も多くの撮影が中断したままとなっています。
ハリウッドスターを新型コロナウイルスの感染症で失ってしまった場合、凄まじい額の損害になりますし、なによりブランドが毀損します。

そういった意味では「ゲーム」そして「アニメ」業界は有利な立場にあります。
どちらもある程度はテレワークで仕事を行うことができるからです。(もちろんできない工程もありますが……)

更に日本はアメリカ・ヨーロッパよりも、何かしらの要因により感染が広がりにくい・致死率が低い、状況にあります。
これはすごく嫌な言い方をすれば、商業的なチャンスです。

アニメを見る人は実際に増えている

そして重なる部分もありますが、アニメを見る人が実際に増えています。

26日、ライブ配信された「Netflixアニメフェスティバル2020」において、非常に興味深いデータが開示されました。

  • 全世界1億以上の世帯が、この1年でアニメを再生
  • この数値は2019年より50%以上増えている
  • 日本のNetflix加入者の1/2が、1ヶ月でアニメを5時間視聴(おおよそ1クール分)

https://www.youtube.com/watch?v=03z1UwYRgE0
https://www.youtube.com/watch?v=03z1UwYRgE0

30代以上の方だと、「アニメを見る」というのは一部の人の趣味、といった見方があったかもしれませんが、もはや日本でも・世界でも多くの人がアニメを楽しんでいるのです。

この数値がどのぐらいすごいのか、実感としてつかめない方もいらっしゃるかもしれません。
”1億以上の世帯”とありますが、Netflixの加入者は2020年4月時点で「1億6700万人」です。
おおよそ3分の2ものアカウントが、この1年でアニメを再生したことになります。

更に、日本の加入者は先日500万人と報道がありました。
つまり250万人もの人が1ヶ月にアニメを1クール分再生しているのです。

しかもこれはコロナ前の2018年→2019年を見ても倍近くに拡大しています。
もちろんNetflix自体の加入者拡大という面もありますが、それを差し引いても凄まじい拡大率です。

「アニメ業界」への投資先としての注目

こういった理由により、アニメ業界は今投資先として注目されています。

単純な製作委員会への投資だけでなく、制作会社そのものの買収(M&A)や、アニメ制作会社の設立も2019年後半から多く見られています。

例えば不動産会社の「いちご株式会社」(東証一部2337)は、「いちごアニメーション」という制作会社を立ち上げました。
不動産会社がアニメ制作会社を立ち上げるのは異例のことです。
同社は早速、押井守監督(攻殻機動隊等)を原作・脚本・総監督に据えた新作アニメーションの制作を決定しています。

押井守監督が手掛けた『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』

他にも売上高世界一のゲーム会社「テンセント」はアニメ「魔道祖師」等を制作。かつてアニメ業界では中国に下請けへ出すことが多くありましたが、最近では日本の人材を中国の制作会社が引き抜く、ということもめずらしくないようです。

そしてNetflixがアニメ業界へ多額の制作費を流し込んでいることも、先ほど説明したとおりです。

いいニュースではありませんが、アメリカ・ヨーロッパではまだまだコロナウイルスとの戦いが長引きそうな予兆を見せています。
そんな中、この先どうなるかわからない業界へ出資するのは勇気がいります。それならば、今上昇傾向にあり、コロナ禍でむしろ注目が集まっているアニメ業界に投資しよう、というのも十分理にかなった選択のように見えます。

どうでしょうか。
確かにアニメ業界は「魅力的な投資先」と言えるかもしれません。

ただし油断は禁物です。
2009年以前、「アニメバブル」と称されて多額の資金がアニメ業界に注ぎ込まれたことがありましたが、残念ながらその勢いを維持することはかないませんでした。
そのバブル崩壊の理由としては「期待していた程、DVD等の記録媒体が売れなかった」「単純に消費人口が狭すぎた」ということが要因としてあげられています。

2020年、映像の販売方法はBDよりもストリーミング再生が主となりました。
アニメを楽しむ人口も増え、「アニメが好きである」ということを広言することになんら躊躇しなくていい環境も形作られています。
そして何より、時代は可処分時間をいかに奪い合うか、というコンテンツ戦国自体に突入しています。

今度の好景気は本物でしょうか…?
そうであってほしいと願います。

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