劇場版『鬼滅の刃』無限列車編のこだわりを解く!監督・外崎春雄のここがすごい!
歴史的な大ヒットとなった、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編(監督・外崎春雄)。興行収入は映画歴代最速の100億を突破、日本全国が鬼滅フィーバー状態となっています。
映画がヒットすると注目されるのが「監督」の存在。ジブリ作品の宮崎駿監督をはじめ、ヒット作の裏には必ず名監督がいます。
本作の監督を務めるのは、テレビアニメ版から続投する「外崎春雄監督」。外崎監督はいわば『鬼滅の刃』の大黒柱と呼べる存在です。
そこでこの記事では、外崎春雄監督の「すごい」ポイントを紹介!劇場版『鬼滅の刃』に込められた、こだわりを紐解きます!
歴史的な人気作となった劇場版『鬼滅の刃』無限列車編
興行収入が公開から10日で100億を超え、歴史的な人気作となった、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編。異例のスピードから、興行収入トップの『千と千尋の神隠し』が持つ「308億」を塗り替えるのではとも言われています。
実際本作を観ると、映像・音楽・脚本のどれもがハイレベル。最初から終わりまで隙のないクオリティで描かれており、10日で100億を達成するのも頷けます。
特に映像については大きな反響を呼んでいます。大迫力のバトルシーン、美しい背景、キャラクターたちの表情など、「想像以上のクオリティ」だとSNS上で絶賛の嵐が巻き起こりました。
『鬼滅の刃』を大成功させた外崎春雄監督とは?
『鬼滅の刃』の映画がここまで大ヒットした裏側には、テレビアニメ版から本作を支え続けている監督・外崎春雄氏の存在があります。
外崎氏は、『鬼滅の刃』を制作しているufotableに所属しており、アニメ業界に25年以上関わり続けているベテランです。
主に作画監督や原画など、映像演出面でのキャリアが長く、劇場版『鬼滅の刃』では、自ら絵コンテも担当しています。
そんな映像の専門家とも言える外崎監督。その来歴や手掛けた作品を見ていきましょう。
外崎春雄監督の来歴や手掛けた作品
外崎春雄氏がアニメ制作に関わるようになったのは、1994年の『機動武闘伝Gガンダム』から。福島県いわき市に本社を置くアニメーション制作会社・スタジオダブの出身で、ufotableの作品に関わるようになったのは2002年の『ヴァイスクロイツ グリーエン』から。
監督を務めるようになったのは、2007年の『テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION』からで、以降は『テイルズ オブ』シリーズの監督を経て、2019年にテレビアニメ版『鬼滅の刃』の監督を、そして、2020年に劇場版『鬼滅の刃』無限列車編の監督を務めることとなりました。
原画や作画監督のキャリアを多く積む
外崎氏は、原画や作画監督としてのキャリアが長く、原画や作画監督として関わった作品が多いです。
テレビアニメだけ見ても、原画が65本以上、作画監督は35本以上。作画監督はキャリア3年目から抜擢されているので、20年以上キャリアを積み上げていることになります。
『鬼滅の刃』の映像美は、外崎監督の作画キャリアとufotableの技術力が高いレベルでかみ合ったことで生まれた作品と言えるのではないでしょうか。
アニメの監督はどんな仕事をするのか
ここで、アニメ監督の仕事についてザっと説明したいと思います。
アニメ作品は、絵を描く「原画」や、絵を動かす「動画」、物語を作る「脚本」、BGMを担当する「音楽」など、多くの工程に分かれています。
「監督」は、それらをまとめ上げるチームリーダー的存在。作品を作る際に「こんな作品を作りたい」というイメージを固め、それを全体に共有する役割があります。
イメージがしっかり共有できていると、絵や物語、音楽などがガッチリかみ合い、作品に一貫した作風ができ上がります。
作品の方向性決めは監督の腕の見せ所
作品全体の方向性を決めるのは、作品作りのリーダーである監督の仕事です。
作品の方向性一つで、作品の雰囲気は大きく変わります。
特に、シナリオを原作順守かオリジナル要素を入れるかの差は大きく、監督によって判断が大きく分かれるところです。
『鬼滅の刃』は基本的に原作順守。漫画に忠実に物語が進むため、原作ファンも安心して観ることができます。
劇場版『鬼滅の刃』無限列車編に込められたこだわり3つ
ここからは、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編に込められたこだわりポイントを紹介していきたいと思います。
劇場版『鬼滅の刃』は、どこをとってもハイレベルな作品ですが、よく見てみると細かい工夫が積み上がってできていることに気が付きます。
ここでは、その中から特に注目してもらいたいポイントを3つ紹介したいと思います。
原作を順守しながらクオリティアップをしている
1つ目のこだわりポイントは、原作のイメージを壊さずクオリティアップできることです。
劇場版『鬼滅の刃』無限列車編は、基本的に原作をなぞる形で物語が進みます。そして、外崎監督は、原作を正当進化させるのが上手なんです。
例えば、キャラデザインや作風を見ると、原作の絵柄を忠実に再現していますが、一方で、技のエフェクトや背景などは、オリジナルと言えるレベルで描かれていることが分かります。
しかし、あくまでも原作の雰囲気は壊さず、作品の魅力を際立たせるようにクオリティアップしているため、原作ファンも安心して観ることができる作品に仕上がっているのです。
見せたいものがハッキリしている
2つ目のこだわりポイントは、作品で見せたいものがハッキリしている点です。
劇場版『鬼滅の刃』無限列車編でもそうでしたが、「本当に見せたいもの」を魅力的に見せるために、脚本全体が「本当に見せたいもの」へ収束していくように組み立てられているんです。
映像や音楽の取り入れ方も、見せたいものを意識した描き方になっています。
例えば、キャラクターの強さを際立たせるにはどう描くか、敵の不気味さを印象付けるにはどんな音楽を入れるかなど、シーンごとにメリハリが付いていることが分かります。
その結果、メッセージが視聴者の心に届きやすくなり、全体を通して印象の強い作品に仕上がります。劇場版『鬼滅の刃』無限列車編が、初めて見る人でも理解しやすいのは、見せたいものが分かりやすい脚本だからではないでしょうか。
脚本を効果的に再構成している
3つ目のこだわりポイントは、物語の流れを意識して脚本を再構成している点です。
劇場版『鬼滅の刃』無限列車編の脚本は、少しですが、原作と順序が変わったり、抜けていたりする箇所があります。
かなり細かい変更点なのですが、変更した結果、物語が理解しやすくなったり、キャラクターの印象が変わったりしており、よりメッセージが届きやすい構成へと変化しています。
特に、クライマックスを意識した再構成がうまく、最小限の変更で、より印象的なクライマックスを創り上げています。
劇場版『鬼滅の刃』無限列車編は外崎監督のこだわりが詰まった名作
作画や作画監督でキャリアを積み、『鬼滅の刃』の監督に大抜擢された外崎春雄氏。
劇場版『鬼滅の刃』無限列車編では、キャリアを活かした映像の美しさだけでなく、原作ファンを意識した作品作りや、効果的な脚本の構成など、その技術を余すことなく発揮しています
映像・音楽・脚本と、一流のスタッフが作り上げた名作、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編。その中心には、一流の素材を作品へと組み立てる、作品の「柱」である監督の存在があったのです。
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