東南アジア・南アジア

「2歳から覚醒剤」インドネシア、23回窃盗で捕まった8歳の少年の深刻な生い立ち

インドネシア北部のカリマンタン州に住む8歳の少年は、23回も金品を盗んで捕ました。 青少年リハビリセンターで幾度も再教育をしましたが、繰り返し窃盗を働き、見つかるたび素直に犯行を認めるものの、盗癖を直すことはできていません。
この少年は、生まれた頃から強烈な環境で育てられていました。

彼の父親Aは現在麻薬容疑で収監中です。 北部カリマンタン州政府が述べたところによれば、Aは少年を生後2ヵ月から、粉ミルクに覚醒剤を混ぜて飲ませていました。
「泣く子をあやして落ち着かせる目的」だったと、父親は供述しています。 州政府の関係者は「おそらくそのせいで苦痛や恐怖を感じないようだ」と述べています。生んだ母親のほうも、赤ちゃんの面倒を見る余力がありませんでした。

少年の非行は、頻繁な盗癖によって世間に知らされました。 故郷のカリマンタン島を離れ、ジャカルタにある青少年リハビリセンターに滞在する間も盗みを続けました。 店主が席を外していた店では300万ルピア(2万円あまり)を、教師の財布や街中の自転車を盗むなど窃盗の金額は約1,000万ルピア(70万円あまり)にも及びます。(ちなみにインドネシアの平均年収は40万円です)

そのお金で「ゴリラタバコ」を買って友達と吸っていました。「ゴリラタバコ」とは、喫煙するとゴリラですら体を押さえつける気持ちになるということで名づけられた、大麻タバコです。
捕まえた警察は「少年は不思議なことに決して嘘をつかず、犯行のすべてを率直かつ淡々と打ち明けた」と話しています。

写真:Kompas.com/Ahmad Dzulviqor

少年をどこで更生できるのか、悩む各機関

少年の、この胸の痛む事情を知ったリハビリセンターと警察は、彼に特別な教育プログラムを施しましたが、麻薬中毒と盗癖を変えることはできませんでした。
警察関係者は「(若いので)刑務所に入れることも不可能で、他の子どもたちに悪影響を及ぼす可能性があるので、リハビリセンターに置くことも難しく、結局故郷に送らざるを得なかった」とし「進退両難で悩みが深かった」と述べた。 しかし結局、来年初頭、少年は麻薬中毒治療センターに送られる予定です。

地元メディアは、父親の過ちで幼い時に犯罪や麻薬中毒に陥った少年の物語を紹介しています。 「少年が普通の生活を送るためには、いろいろな機関の協力、社会の関心が切実に必要です」と述べています。

参照:https://www.kompas.com/sains/read/2020/11/24/070400523/kenakalan-bocah-kleptomania-pencandu-narkoba-bisakah-sembuh-dari-kecanduan?page=all

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