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新型コロナウイルスワクチン、副作用や危険性はあるのか。現時点でわかっていること

イギリスで新型コロナウイルスワクチンが緊急認可され、すでに摂取が始まっています。
その中で先日、ワクチンを摂取したうちの2人に激しいアレルギー反応の症状が出ました。それを受けてイギリスでは「過去に同じような症状が出たことのある人は接種しないように」という呼びかけがあったそうです。

英 ワクチン接種の2人に激しいアレルギー反応のような症状
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012756061000.html

通常、ワクチンの製造というのは長期の時間がかかるものです。
麻疹のように10年、20年以上かけて製造されたワクチンや、100年近く取り組んでいるにも関わらず、未だ製造ができていないワクチンもあります。

そんな中、1年未満で製造・認可が降りた新型コロナウイルスワクチン。
果たして安全なのでしょうか。不安を感じられる方がいらっしゃったとしても、最もなことだと思われます。

執筆時点(2020/12/10)での情報を、信頼できる情報源に絞ってまとめていますが、情報が古くなることがあります。
最新の情報は、厚生労働省等の信頼できる情報源を当たってください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

「ワクチン」とはそもそも何か

おそらく殆どの人が「新型コロナウイルスワクチン」を打つことになると思いますが、では「ワクチン」とはそもそも何なのか。今一度簡単におさらいしてみましょう。

「生ワクチン」「不活化ワクチン」の仕組み

「生ワクチン」……風しん・はしか・BCG等
「不活化ワクチン」……日本脳炎・インフルエンザワクチン等

この2つのワクチンは病原体から製造したものです。「生ワクチン」は病原体が生きている状態ですが、病原性を弱めて投与するもの。「不活化ワクチン」は病原性をなくした細菌・ウイルスを利用して、抗体に倒させることで体に免疫を作るものです。

新型コロナウイルスワクチンの多くは「mRNAワクチン」

おそらく「ワクチンの仕組みを知っている」という方の多くが認識していたのは、上記の「生ワクチン・不活化ワクチン」の仕組みかと思います。
「mRNAワクチン」は更に先進的な技術を利用したワクチンです。

「生ワクチン・不活化ワクチン」は、「ウイルス粒子」を接種しこれに対して体が免疫を作り出すので、ワクチンとして役に立ちます

しかし「こういうふうに抗原たんぱく質を作ってね」という指令をそのまま体に送り込めたら?
それを行ったのが「mRNAワクチン」です。
(わかりやすさを優先して書いています)

ある意味「生ワクチン」より安全です。
生きたウイルスを投与する「生ワクチン」は、ごくまれに病気を発症することがありますが、「mRNAワクチン」はその可能性がほぼありません。

また「不活化ワクチン」より理論的には効果が出やすいです。
「不活化ワクチン」は獲得する免疫が限られますし、持続性が生ワクチンより短いというデメリットがあります。
「mRNAワクチン」は「液性免疫」「細胞性免疫」両方を刺激すると言われ、「不活化ワクチン」はもちろん「生ワクチン」よりも高い免疫反応を起こすことが期待されています。

参照(PDF):https://www.pmda.go.jp/files/000226581.pdf

新型コロナウイルスの副作用は、インフルエンザワクチンより激しいかも

そして安全で効果が高い、と述べましたが「副作用」「アレルギー反応」はもちろんありえます。
これはワクチンである以上当然のことです。

実際のファイザー製、およびモデルな製ワクチンでのデータを見てみましょう。
上記2社のワクチンを接種した方の内、2%未満に39°Cから40°Cの重度の発熱が確認されました。
2%に当たることは稀かもしれませんが、1億人が接種した場合2百万人ほどが発熱することになります。

また、モデルナの大規模治験の中間分析では、参加者の9.7%に疲労、8.9%に筋肉痛、5.2%に関節痛、4.5%に頭痛が確認されました。
(ファイザー製のワクチンではもう少し少ないようです)

ミシガン大学公衆衛生学部の疫学者、アーノルド・モント氏によれば
「通常のインフルエンザワクチンで見られる反応よりも強い」とのことです。

モデルナ製ワクチンの治験を行ったヘイドン氏は、2回目の接種から12時間後に 39度以上の熱を出しました。緊急治療室に運ばれたヘイドン氏はその後回復しましたが、しかし自宅に帰った後失神しました。

しかし、ヘイドンさん自身がこの経験を「支払うべき小さな代償」と述べています。
「私にとって、この日は大変な日でした。しかし新型コロナウイルスの恐怖に比べれば、副作用の恐怖は小さなものです」

参照(英語):https://www.sciencemag.org/news/2020/11/fever-aches-pfizer-moderna-jabs-aren-t-dangerous-may-be-intense-some

理論上はとても「安全で効果的」

そのような「副作用」もありますが、ワクチンそのものの危険性は大丈夫なのでしょうか?
現時点で「最大の欠点」を挙げるとするならば…それは「mRNAワクチン」の実用化自体が、世界で初めてということです。
いかんせん人類初の試みなので、科学者も予期し得なかった問題が生じる可能性はあります。

しかし逆に言えば、その「経験不足」という仕方がないリスク以外では、特に危険性はありません。

理論的には、先ほど述べたとおり、とても安全で効果が高いワクチンです。
mRNAを体に入れること自体も、もし細胞に侵入しなかった場合はすぐに崩壊するので危険はないと言われています。
(その場合「効果が出ない」という心配がありますが、ファイザー社のテストでは95%に効果があったとのことなので、このあたりもクリアしているのでしょう)

結論:現時点で、特に危険視する要因は見当たらない

現在英国では、新型コロナウイルスのアレルギー問題に関して調査を行っているようです。
「調査を行っている」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、一番問題なのは「わからないこと」なのでこの調査は当然のものです。

英国の薬理疫学教授スティーブン・エバンス氏はこう述べています。
「これは、一般の人々にとって、ワクチン接種を受けることを心配する必要があるという意味ではありません。 マーマイト(パンに塗るイギリスの国民食)でさえ、予想外のアレルギー反応を起こす可能性はあるのですから」

新型コロナウイルスワクチンに限らず、薬やワクチンには、一定のリスクがつきものです。
例えば新型の帯状疱疹ワクチンに「Shingrix」というものがありますが、これは摂取者の17%で注射の痛みや筋肉痛が出る、という反応の激しいものでした。しかし2017年に認可されたこのワクチンは、現在膨大な需要を得ています。

新型コロナウイルスワクチンについても、コロナそのものに感染する危険性よりは、よほど小さなリスクだと現時点では言えるでしょう。


もちろん万に一つ、看過できないような症状が出ることは、可能性としてはあります。しかしその場合も、ワクチン制作のために尽力した科学者の皆さん、そして日夜限界を超えて医療に携わっておられる医療関係者の方々が、適切に処置してくれるだろうことを、私は信頼しています。

参照(英語):https://www.sciencemag.org/news/2020/11/fever-aches-pfizer-moderna-jabs-aren-t-dangerous-may-be-intense-some
https://www.statnews.com/2020/05/26/moderna-vaccine-candidate-trial-participant-severe-reaction/

参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61944150X20C20A7000000

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