発達障害の子供の学校選びについて 公立・私立?「通常級」「支援級」?
お子さんが発達障害をもっていて、学校選びに迷っている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、
- 子どもにとってどんな学校が良いのか分からない
- 合わない学校を選んで不登校になってしまったら嫌だ
と考えている方も多いのではないでしょうか。学校は長い時間過ごすところですので、できれば楽しんで通ってほしいですよね。
そこでこの記事では、特別支援学校の免許をもつ筆者が発達障害の子にとってどんな学校が良いのかを詳しく解説していきたいと思います。
3分程度で簡単に読むことができると思いますので、ぜひご一読ください。
発達障害の種類は大きく分けて3種類あります
発達障害には幅広く、いろいろな種類のものがあります。特に、学校生活で困難を抱えがちなのが以下の3つです。
- 自閉症
- ADHD
- LD
上記の3つは他人とのコミュニケーションが難しかったり、他のものに注意が散漫になってしまうため学校生活を送るのが難しいと言われています。
それぞれの障害について、順番に解説をしていきたいと思います。
高機能自閉症の定義 <High-Functioning Autism>
高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、1他人との社会的関係の形成の困難さ、2言葉の発達の遅れ、3興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。
また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1396626.htm
1つ目は自閉症です。物事が自分が考えている通りにいかないとパニックになってしまったり、感覚が過敏であることから大きな音が苦手だったりすることもあります。
学校現場では予想外のこともたくさん起きますし、騒がしい場面も多くあります。そんな中に対策をせずに居続けるのはかなり苦しいといえるでしょう。
自閉症の生徒に対しては、あらかじめ1日の予定を伝えておく先生も多くいます。こうすることで、落ち着いて過ごすことができるようになるケースもあります。
また専用のヘッドギアなどもあるため、耳につけることで音の刺激をなくしている場合もあります。
注意欠陥/多動性障害(ADHD)の定義 <Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder>
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1396626.htm
次に紹介するのがADHDです。
最近になって、メディアなどでADHDの言葉を耳にすることも多くなってきたのではないでしょうか。
ADHDの特徴としては、とにかくいろいろなことに注意が向けられることがあります。
友達の行動・先生の様子などが、人一倍情報として入ってくるという特徴があります。
衝動的に友達とトラブルになってしまうこともあるので、学校生活で難しさを抱えてしまうこともあります。
対策として、囲いを作るなどして周囲の様子が目に入らないようにしている場合もあります。
学習障害(LD)の定義 <Learning Disabilities>
学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1396626.htm
LDは学習障害のことで、読み書きや計算する能力に困難さがあることを指します。
具体的に何の能力に障害があるのかはお子さんによって異なるため、あらかじめ診断をしてきめ細かく指導を行うことが必要になってきます。
学習をしてもなかなか身に付かず、子供自身がやる気を無くしてしまったり取り組まなくなってしまうこともあります。
親もしっかりと様子を見ていく必要があるでしょう。
発達障害の子が行く学校の種類は公立や特別支援学校などさまざまです
発達障害を持つ子が通う学校としては、以下の3つが考えられます。
- 公立学校
- 私立学校
- 特別支援学校
それぞれの学校の特徴を解説していきます。
公立学校の選択肢「通常級」か「支援級」
多くの子供たちが通うのが「公立学校」でしょう。特に受験をする予定もなく、近い学校探しているのであれば公立学校になります。
特徴としては、公立学校には多くの場合通常級と支援学級の2つがあります。
通常級は、健常児と同じ授業やカリキュラムで学習を進めることができます。それに対し、支援級では子どもの学力をしっかりと測定し1人ひとりにあった授業を受けられるのが特徴です。
まずは、通常級で様子を見てみたいと考える親御さんもいることでしょう。公立学校では学級を変更することはできますので、安心して過ごすことができるでしょう。
軽度の障害であれば、通常級で問題なく過ごしている子もいます。
また、支援級についても障害を持つ子供向けに様々な支援を行っています。「個別の学習指導計画」を作って一人ひとりに合った指導をしているのも大きな特徴です。
教材についても、通常級とは違うものが置いてありますので障害を持つ子にとっても過ごしやすいと考えられるでしょう。
私立学校を選ぶ方法もあります
次に考えられるのは私立学校でしょう。公立学校ではなく、お金を払ってでも私立学校に通わせたいと考えている親御さんもいることと思います。
もちろん、障害を持っているお子さんでも私立学校に入学することはできます。しかし、受験をしなければいけない点には注意が必要ですね。
障害の程度や種類によって、学力に影響が出る場合とそうでない場合があります。ですので、お子さんの様子を見つつ無理のない範囲で受験させることが大切になってきます。
私立学校にも支援級はありますので、そういった選択肢もあるでしょう。
特別支援学校は時間がゆったりと流れます
次に、特別支援学校です。障害を持つ子が通うといえば「特別支援学校」をイメージする方も多いのではないでしょうか。
障害の程度については軽度〜重度まで幅広く在籍しています。公立・私立学校との大きな違いは「時間」だといえるでしょう。
特別支援学校では、基本的に1日の予定が詰まっていないことが多いです。そのため比較的時間がのんびりと流れていくのを感じることができます。
特に、障害を持つ子であれば1つひとつの準備に時間がかかったり教室移動などが難しかったりしますよね。
教員の、ゆっくり丁寧なサポートを感じることができるでしょう。
選ぶ方法についてはお子さんの意思を尊重することが何よりも大切です
基本的には、お子さんの意思を第一に尊重することが大切になってきます。
親としてさまざまな思いがあるものの、子供に押し付けてしまうとどうしても学校生活が苦しく感じてしまうことがあるからです。
まずは、お子さんとしっかりとコミュニケーションを取りながら本音を聞き出していくようにしましょう。心理学用語では「傾聴」という言葉があります。
これは、しっかりと相手の話を聞くことでよりよい人間関係を作ることができるというものです。よりよいコミュニケーションをすることで、お子さんの思いがけない本音を聞くことができるかもしれません。
学校生活の問題は、なかなか親に話しづらいという部分もあります。特に発達障害があれば意外なところで悩んでいる可能性もあるでしょう。
ほかにも、ママ友などで横のつながりがあるのであれば情報収集をしていくのも手です。私も支援学級の担任をしていたことがありますが、親同士で常に情報交換をしていることが多くありました。
学校選びのヒントになることも考えられます。
選ぶ時の注意点として、学校を実際に見学しにいくようにしましょう
学校を選ぶときは、実際に足を運ぶようにしましょう。今はネット上にたくさんの情報がありますので、調べただけで決めてしまうことも多いです。
しかし、実際に学校を見てみることで雰囲気などの違いを知ることができます。たとえば、「特別支援学校」といっても学校によって教育方針や考え方は異なっています。どういったやり方をしているのかは実際に見てみないと分からないですよね。
「学校に足を運ぶのは緊張する・いきなり授業を見に行っても良いだろうか。」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、見学をすることは決して珍しいことではありません。新しく学校に来る場合、親子で見学に来ることもよくあります。
後悔しないように、前もって見にいくようにしていきましょう。
合わない学校を選ぶと子どもが自信を無くしてしまいます
合わない学校を選ぶと、不登校や学業不振についての問題が起こる可能性があります。
特に不登校については、最近になって増え続けているという情報もあります。できるだけ前もって対策をしていく必要があります。
ほかにも、合わない学校を選ぶと「いじめ」が起こる可能性があります。障害を持つ子は他の子供とは違った言動をすることがあります。
もちろんそれ自体は個性でもありますが、周囲がそれを認める心がなければいけませんね。
他と違うものに対しては、いじめが起こりやすいので注意が必要です。
さらに、「自己肯定感が下がる」ということも挙げられます。勉強についていけなくなれば「他の子よりも劣っている・自分はできない人間」と感じてしまうことにもつながるでしょう。学校選びについて慎重に進めていく必要がありますね。
お子さんが障害をもっている場合、学校選びについてはかなり悩んでしまいますよね。
ぜひ今回の記事を参考にしつつ、ベストな選択をしていただければありがたいです。
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