インフルエンザは、毎年1,000万人以上が感染し、2万人近くが入院する、恐ろしい病気でした。
…しかし新型コロナウイルスの拡大により、多くの人がマスクを着用、帰宅後に手洗い、3密を避ける、といった行動を徹底したところどうなったでしょうか。
驚くべき数値が本日発表となりました。
厚生労働省が発表した「1月4日〜10日」のインフルエンザ状況によると、この一週間で確認されたインフルエンザの報告数は、73人でした。
2020年の同時期で確認されたインフルエンザ報告数は、90,811人
なんと1,000分の1以下という、驚異的な抑え込みに成功しているのです。
これはコロナ禍で暗い気持ちになるニュースが多い中、めずらしく喜ぶべきニュースです!
とても喜ばしいニュースではあるのですが、この数値が指し示すことは、同時にとある事実も突きつけます。
あの1,000万人が毎年感染する「インフルエンザ」を、1,000分の1以下に抑えるほど、皆が協力し対策をとっているのです。
それでも、「新型コロナウイルス」は1日に5,000人を超えるほどの感染者数が出ていることになります。
いかに新型コロナウイルスの感染力が強いか、わかりやすい証明です。
これは「統計の妙」等ではなく、専門家も認めている事実です。
マサチューセッツ総合病院感染管理ユニットの責任者であるデビッド・フーパー博士は以下のように語っています。
「新型コロナウイルスは、(インフルエンザ)より強い伝染性を持っており、予防措置を怠るとすぐに感染が広まる」
同氏はまた、潜伏期間の違いも感染力の差が出ている要因だといいます。
通常インフルエンザの場合、感染してから症状が出るまで1日長くても3日以上にはほぼなりません。
しかし新型コロナウイルスは「1から17日」とばらつきがあり、さらに30%-50%は無症状です。
参照:https://www.covid19-yamanaka.com/cont7/main.html
まさしく感染拡大に特化したウイルスといえます。
残念ながら、「コロナはインフルエンザより怖くない」という説は、今回の統計で否定された形になるでしょう。
しかしインフルエンザにワクチンがあるのと同じく、新型コロナウイルスのワクチンも完成し、しかもインフルエンザワクチンより高い有効性が確認されています。
※インフルエンザワクチンの予防効果は60~70%、
一方でファイザーやモデルナ製ワクチンの有効性は95%近い
もちろん、新型コロナウイルスとの戦いは(インフルエンザに比べれば)始まったばかりなので、今後どうなるかわかりませんが、
うまくすればコロナ・インフルエンザ両方を封じ込めることが、今後可能になるかもしれません。
ただしそれは、今後人類がどのように行動していくか、そこにかかっていると思われます。
参照:
https://weathernews.jp/s/topics/202101/130235/
https://www.usatoday.com/story/news/health/2021/01/11/amid-coronavirus-flu-cases-record-low/4127197001/