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ホリエモンの「TENGAロケット」が非常に画期的な理由 – 宇宙と性のタブー

日本の民間宇宙事業といえば、ホリエモンの「インターステラテクノロジズ」プロジェクトが有名ですが、本日そのホリエモンの「インターステラテクノロジズ」が驚くべき発表を行いました。

なんとあの「大人のおもちゃメーカー」として有名な「TENGA」とコラボレーションするというのです。
コラボレーションで行う予定のミッションは以下の3つとなります。

  • ①集めた1000人分の想い・願いをTENGA型メッセージPODに入れて宇宙に届ける
  • ②TENGAロボがロケットに搭乗し、宇宙空間から地球へ帰還する
  • ③計測用のTENGAをロケットに搭載し、「宇宙用TENGA」の開発をスタートする

これが特に実績のない宇宙プロジェクトなら「話題作り」で済んだかもしれませんが、インターステラテクノロジズ社のロケット「MOMO」は、すでに打ち上げに成功したこともある、日本で最も期待された民間ロケットです。

今までの実績、ホリエモンのネームバリュー、そしてTENGA社の持つ資金力を考えれば、まず間違いなくこのコラボレーションは挑戦へ至るでしょう。

しかし、この異色のコラボレーション、「宇宙開発」の視点からも相当な画期的・衝撃的な発表なのです。

宇宙開発会社は「国と切り離せない」はずだった。

本来宇宙事業、それもロケットとなれば、国家と切り離せない関係です。

民間宇宙事業といえば、アメリカの「スペースX」が有名……というよりほとんど唯一といっていいほどの地位を得ていますが、
あの「スペースX」も、アメリカの強力な支援と監視が行われています。

民間企業としては軍用ミサイルを生産する企業に加え、オービタル・サイエンシズやスペースXなどの企業が存在する。これらの企業は国家やNASAから強く支援されているが、民間の打ち上げ企業ということになっている。これらの民間企業に商業軌道輸送サービスを担わせることも期待されている。現在NASAが中心的に行うのは宇宙探査のための衛星や探査機の開発研究である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%AE%87%E5%AE%99%E9%96%8B%E7%99%BA

そもそもロケット技術は、ミサイル開発に転用することも可能な技術が多々使われています。
もちろん違いも多くあるのですが、例えばイランの民間宇宙機関は、弾道ミサイル開発に関与しているとして、アメリカの制裁対象に指定されました。

参照:米、イランの民間宇宙機関にも制裁 弾道ミサイル開発を阻止

そのような、いくら「民間」と銘打っていても、国家と切り離せない「宇宙事業」で、「アダルト業界」とコラボレーションしたのです。

逆に言えば「アダルト業界」とコラボレーションができるほど、「インターステラテクノロジズ」は政府から離れて、自由な裁量が認められていることになります。
これは世界的にも大きなアピールとなるかもしれません。

「宇宙」と「性」の問題は、タブー視されてきた

さらにこのコラボレーションが非常に画期的な理由として、「宇宙」と「性」の関係があります。

一時期に比べ下火になったとはいえ、宇宙ステーションには毎年数多くの宇宙飛行士が乗り込みます。
歴史上、宇宙に言った人は「566人」一人で複数行くことも多々あるので、”延べ人数”では「1,280人」もの人間が宇宙に行きました。
参照:JAXA

しかしアメリカ・ロシア共に、「宇宙で性行為を行った」公的な記録は一切存在しません。

宇宙飛行士が、飛行後にばらした…ということもありません。
かつて日本のマスコミが、来日中の宇宙飛行士に「宇宙飛行士同士が宇宙でセックスをしたらどうなるだろう」と質問したことがありましたが、
NASAのアレン・ポインデクスター宇宙飛行士はこう答えています。

「われわれは互いに敬意を払っており、最高の職務上の関係を持っている。個人的な関係は問題にはならない。そういった関係は無いし、今後も無い」

https://www.afpbb.com/articles/-/2738041

宇宙で性行為をおこなった記録がないことについて、要因は色々と挙げられています。
例えば「宇宙で妊娠した場合、生命の危機になる」「無重力下では難しい」「24時間、バイタル等を監視されている中で行えない」等です。
しかし宇宙での研究対象になったこともありません。そのぐらい宇宙での「性」はタブー視されてきたのが現状です。

ところが今回の発表。なんと「ロケット」と「大人のおもちゃ」がコラボレーションです。
これまでのタブーを一気に飛び越え「宇宙用TENGA」の開発までミッションに入っています。
これは欧米の宇宙研究者も、相当に驚愕するのではないでしょうか。

TENGA社のビジョン「性を表通りに」

しかし、多くの人が驚いたTENGAロケットですが、当のTENGA社にとっては何も特別なことではないのかもしれません。

TENGA社のビジョンは「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というものです。
人に迷惑や危害を加えない限り、性や愛の探求は自由。ならばもっとオープンに性の悩みなどを話せる社会にしたい。そういう理念を掲げている同社なら、たしかに宇宙開発への投資も、もっともだと言えます。

もちろん今回のコラボ、「表通り」に出すための「話題作り」であることは確かでしょう。
しかし、先に述べたとおり「自由な宇宙」という意味では、とても画期的なコラボレーションです。
是非大成功させて、日本の民間宇宙事業を大きく宣伝してほしいと思います。

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