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鬼滅の刃の興行収入が千と千尋に勝ちそうなのは「特典配布があるから」という説に対する違和感

もうじき日本での興行収入歴代1位を獲得しそうな鬼滅の刃。
おそらく明日(28日)の正午ごろには、1位になった旨が報道されるかと思います。
「千と千尋の神隠し」が長いこと持っていた記録が、ようやく書き換えられるという形になります。

しかしながら、この勝負を「ガチンコ勝負ではない」とする記事が上がりました

「『鬼滅』は公開から1カ月経った後から観客に来場御礼入場者特典として数の上限が決まったオリジナルグッズの配布をスタートさせた。

その後もほぼ隔週で特典を用意しているので、公開1カ月以内に鑑賞してしまいグッズをもらいそびれた客や、特典欲しさのリピーターが殺到。某アイドルグループが特典を付けて100万枚以上CDを売り上げているのを同じような戦略。

それに対して、『千と千尋』は特典なしの“ガチンコ”で集客を重ねたので、そもそも“真っ向勝負”ではなかった」(映画業界関係者) 記録を抜かれても、「千と千尋」の関係者には堂々と胸を張ってほしいものだ。

https://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/19447208/

いわく「毎週の特典を用意しているのでリピーターが殺到している」「千と千尋は特典なしの”ガチンコ”なので、”真っ向勝負”ではない」といった具合です。

確かに「千と千尋の神隠し」が上映していたころは、映画での入場者特典というのはそこまで多くありませんでした。

しかし、それを抜きにしてもこの説にはいくつかの違和感があります。

「同じ週」での興行収入は、そもそも段違い

まず「鬼滅の刃」と「千と千尋の神隠し」
デッドヒートを繰り広げている、と見えるかもしれませんが、実のところすでに”相当の差”が開いている状況なのです。

「鬼滅の刃」の興行収入は、「10週目」で「311.7億円」でした。
では同じ週に「千と千尋の神隠し」はどのぐらい興行収入を上げていたでしょうか。
……実は「220億円程度」なのです。

おおよそ1.5倍以上の差がついています。競っているという問題ではなく、現状「鬼滅の刃」の興行収入は段違いなのです。

そもそも「公開直後」の数字からして違いました。
公開直後ですから、グッズ目的のリピーター等関係ない数字と言えるでしょう。

このぐらい「鬼滅の刃」は今までの常識を覆すような興行収入なのです。
これはグッズ云々で説明がつくとは到底思えない数字です。

そもそも「入場者特典を獲得できる人」はどのぐらいいるのか

そしてもう一つの違和感、「そもそも入場特典ってそこまで入手できるのか?」という問題があります。

鬼滅の刃の入場者特典で、例えば「煉獄零巻」は450万冊用意されました。

84ページにわたる小冊子で、煉獄杏寿郎の鬼殺隊での初任務を描いた漫画等も収録されています。

これは公開初日から配布されましたが、この特典はどのぐらいの割合の人が獲得できたのでしょうか?

なんと公開10日間で「798万3442人」もの人が来場しています。
……公開から10日以内に見に行ったとしても、4割程度の人はこの特典を受け取っていないのです。

にもかかわらず「入場者特典が理由」で興行収入1位となる…というのは無理があるのではないでしょうか。

「鬼滅の刃」を落とさなくても「千と千尋の神隠し」の威光は下がらない

まずもって今年は新型コロナウイルスという異常事態が起きた年です。
コロナによって「ライバルがいなくなった」ことにより、興行収入にプラスの影響が出た、という意見もありますが、逆にコロナを恐れて映画館へ行かなかったという人もいるでしょう。
プラスだったかマイナスだったか、微妙な所です。

そもそもな話、20年ちかくも時代が違う映画を比べる以上、色々な条件の差は出てきます
これはどの映画も同じ話ですし、10年後、また別の映画に鬼滅の刃が抜かれるかもしれません。それは仕方のない話です。

もちろん「千と千尋の神隠し」の記録が抜かれてしまうことに、寂しさを感じる人がいるのも理解できます。
しかし、「千と千尋の神隠し」は、興行収入を抜きにしても偉大な映画です。
なんといっても日本で唯一、アカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞した映画です。
例え明日、鬼滅の刃が興行収入日本一を更新したとしても、世界中でみれば「千と千尋の神隠し」のほうが知名度は上のままでしょう。その位「千と千尋の神隠し」が世界にもたらした衝撃は大きなものでした。

……だからこそ「来場者グッズを配布しているから”真っ向勝負ではない”という意見には、疑問を抱かざるを得ないのです。
「千と千尋の神隠し」が来場者グッズを出していたら、記録は抜かれなかったのか…?そうはならなかったでしょう。

「鬼滅の刃」は多少の来場者特典効果もあるでしょうが、そもそもがコンテンツ全体での完成度、マーケティング手法、色々なものがすばらしい作品です。
そして何より、高度なアニメーション技術で人々を魅了した、ufotableをはじめとするアニメーション会社。それらの人々が健闘した結果、つかみ取ろうとしているのが、「興行収入1位」という栄光です。

そしてそれは「千と千尋の神隠し」という素晴らしい作品が、アニメ業界に光を当て、「アニメは世界に評価されるすばらしいコンテンツだ」という下地を築き上げてきたからこそ、できたことなのでしょう。
それこそが、「千と千尋の神隠し」の持つ”本当の偉業”なのではないしょうか。

明日おそらく、「鬼滅の刃興行収入第一位」の報道が高い確率で流れます。
どのアニメ作品のファンであったとしても、この報道を喜んで、アニメ文化をここまで大きなものにしてくれたいろいろな作品に感謝してくれたらな、とそう願っています。

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観月小鳥
観月小鳥
4 月 前

どっちも良い映画
特典などは関係ない(正直欲しいけど)
千と千尋の神隠しも前売り券の特典があった様な…

century
century
4 月 前

僕は初日の午前中に行きましたが、特典があることのなんか知らずに行きました。

特典は「貰えてラッキー」な、嬉しい想定外でした。

ほとんどの人がそうだと思います。

「特典で釣ってる」みたいなことを言う人は、嫉妬に見えます。

ただし「イーブン対決」じゃないと思える要素もあって、それは入場者の圧倒的多くを占める小学生が「保護者同伴」じゃないと入れないというところです。

鬼の首が飛んだり、血が吹き出たりするので「暴力表現」扱いとなり、保護者同伴が義務づけられています。
「ドラえもん」「妖怪ウォッチ」「ポケモン」は友達同士でも行けますが、小学生観覧では単純に2倍の入場者となります。

「特典があるからだ」なんて分析をしたのは大人なので、こんなかんたんな事より、「特典」の方に目が行ったのでしょう。

でも親もみんな泣きながら見るんですよね。

基本的にテレビの続きなので、映画で始めて「鬼滅」を見る人用の「基本設定」とそれまでの流れは無く、テレビを見てる前提で話が始まるので、連れて行った親がテレビ版を見直したりしてる人も激多い。

それほど優れた作品だと思います。

贅肉チャップリン
贅肉チャップリン
4 月 前

記者が鬼滅推しなのは痛いほど分かりました笑
特典云々の影響もあるかもしれないけど、単純に考えて宣伝や認知度の違いでしょう。

千と千尋はSNS拡散ではなく口広がり。
まぁジブリという看板もおおきかったですが。

鬼滅の場合はアニメの時点でSNS拡散があり、コロナ自粛でNetflix等入ってる人も多く、話題だしちょっと見てみるか感覚でハマった人も多いと思う。

やはり楽しい、面白いと思ったものは続きを求めるのが常ですしね。

つまり時代の影響が大きく関与した。
しかし時代の影響は千と千尋の時もジブリが積み重ねた信頼や期待も影響してる。
数字以外色々詮索するのは野暮。

ななし
ななし
4 月 前

現に5.6回見に行ってるやつとかTwitterに浮上してるし特典目的なのは明白なんだよな。劇場数も違うし1日の放映数も違う。同じ土俵でないことは猿でもわかる。

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