アメリカでは、現在9000億ドル(約90兆円)を使って経済を刺激するための法案が議論されています。
この中には、国民一人当たり600ドル前後の支給も含まれています。日本で言う「定額給付金」のようなものなのですが、この「600ドル(約6万円)」という金額に「足らない」という声が生じ、倍の「1,200ドル(約12万円)」を検討しているそうです。
Cnetが報じているところによれば、下記のような形で配布が検討されています。
ただこの金額については、一律でもらえる…というものでもないようです。
「税務ステータス」によってはもらえる額が減額されることもありますし、1,200ドルの法案ではもっと条件が狭まる可能性もあります。
3回目の経済刺激金給付も!?
この法案自体は、先程から述べている通りまだ「可決していません」
もちろん刺激金自体が無くなる可能性もあります。
しかし、逆に「3回目の刺激金給付」すら決まるかもしれない、というのは驚きです。
実はこの600ドル(6万円)なのか1200ドル(12万円)なのか、という議論。
「共和党」「民主党」ともに1,200ドル(12万円)を配布したい、という議員が多くいるようなのです。
しかし、1200ドル(12万円)を給付するための金額は、米といえども相当な予算になります。1週・2週で決めてしまうことは難しいです。
そのための妥協案が「600ドル(6万円)」となっており、その場合は3回目の給付金がありえるとのことです。
日本に給付金は!?
重ねていいますが、まだアメリカでも「決定」はしていません。
600ドルか1200ドルか以前に、この刺激金自体が消える可能性もまだあります。
(それなりの確率で法案は通過するようですが…)
そしておそらくこの記事を読んでおられる方が気にされているのは、日本で給付金はないのか!?という点でしょう。
……現状そこまで可能性は高くありません。
まず給付金が支給される条件としては「緊急事態宣言」が上げられます。
それもただの緊急事態宣言でなく、ロックダウンと呼べるレベルの宣言です。
「ロックダウンしなければ給付できない」という必須のものではありませんが、「経済が停滞しているところに刺激を与える」という動機ですので、やはりロックダウンをしていないのに給付金を出すのは難しいかもしれません。
また全国的な「経済停滞」も必要な要件になってくるかもしれませんが、「日経平均株価」は3万円を超えるのではないか、と言われているほど好調に推移しており、停滞しているとはいい難いです。
更に「貯蓄が増えている」という現実もあります。
「自分は給付金を貯蓄に回していない!」とおっしゃられる方も多いと思いますが、実は貯蓄財産が増えているのです。
貯蓄率がどのぐらい増えていると思われますか?なんと過去20年で最高の金額です。
もちろん先行き不安のため、消費ではなく貯蓄にすべて回す…という感情はとても理解できるのですが、多くの人がそのように考えているのであれば「給付金」の意義自体が薄れてしまいます。
なので国民全員へ配布する「2回目の給付金」は現時点であまり見込めないと言わざるを得ません。
ただし「必要な世帯への給付」はありえます。
現に「児童扶養手当を受給している低所得のひとり親世帯」等には、今月特別給付金として5万円が支給されることが決定しました。
これは6月の補正予算以来、2度目です。
他にも収入が減少した人等を中心に、低所得者への給付金が決まる可能性はまだ十分にあります。
更に、2021年に入りワクチンを打ち終わった後、ひょっとしたら各国で経済刺激のため給付金が配布されるかもしれません。そしてそれに日本も追随する可能性はあります……
すいません……ここまでいくともはや妄想の類になってしまいますね。例えワクチン後に経済活性化を行おうと思っても、残念ながらGoToキャンペーンのような手法のほうが妥当だという見方が有力になるかもしれません。
といった形で、残念ながら2回目の給付金はなかなか難しそうな状況です。
しかし、今回のコロナ禍において「給付の方法」や「富の分配」はかつて無いほど議論される機会となりました。
おそらく「給付する方法」についてはワクチン後に整備されるでしょうし、そうなれば将来的な「給付金」はずっと手軽に支給されるかもしれません。
また「富の再分配」という点では、「パンデミックの際、所得を把握できないことが問題になる」ことや「ベーシックインカム」等も大きく議論されました。
皆がワクチンを打った後、こういった点で見直しが行われ、多くの人が豊かな生活を出来るよう、整備が進むかもしれません。
何れにせよ「コロナ禍」で起きたいろいろな問題は、ワクチンにより解決の兆しが見えてきました。
あとは今回の災厄を経験した人類が、どのように社会を改善することができるか、大きな挑戦が待っています。