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地球の大量絶滅、天の川銀河の「暗黒物質」が関わっている!?「周期」があることも明らかに

みなさんは天の川銀河に存在するダークマターが地球に周期的な大量絶滅をもたらしているかもしれないといったらどう思いますか?

まさか!と思われた方も多いかもしれません。

本当にびっくりするようなお話ですよね!

しかし、実はそのような最新の研究成果がつい最近ニューヨーク大学のマイケル・ランピーノ教授によって発表されました。

今回は、とても興味深いこの最新の研究成果について、いつものように丸っと解りやすく徹底解説します!

なお論文は12月10日付で「Historical Biology」誌に掲載されました。

陸上生物の大量絶滅は2750万年周期で起こっているって本当なの?

恐竜は巨大な隕石の衝突によって6600万年前に絶滅したと考えられているが、最新の研究成果から大規模な火山活動が同時期に起こっていたことが明らかになってきた。

まず、陸上生物の大量絶滅が約2750万年周期で起こっているというお話から始めていきたいと思います。(byニューヨーク大学論文)

すでに海洋生物についは約2750万年周期で大量絶滅が繰り返されていることがしられています。

そこで、ランピーノ教授率いる研究チームは、陸上生物(両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類など)について、過去3億年に渡る絶滅に関する記録を調べ、統計的に分析しました。すると、この期間内に、陸上生物について、10回の大量絶滅が起こっており、その周期は、海洋生物と同様に、約2750万年であることが解りました(信頼区画99%)。

そして、さらに興味深いのはここからです。

この10回の陸上生物の大量絶滅のうちの8回は、海洋生物の大量絶滅と同時に起こっており、しかも大規模な火山活動を伴っていました。そして、さらにその8回のうちの3回には巨大隕石の衝突も伴っていました。

それにしても、大量絶滅に周期性があるだけでも不思議なのに、大規模な火山活動や巨大隕石の衝突にまで周期性があるのはとても不思議ですよね!

これは単なる偶然の一致なのでしょうか?研究チームによれば、単なる偶然の一致ではない可能性があるといいます。そして、そこには天の川銀河に存在するダークマターが深く関係している可能性があるといいます。

ダークマターってなに?

岐阜、富山県境の池ノ山の地下にあるKAGRA、スーパーカミオカンデ、XMASSなどの概略図。KAGRA(大型低温重力波望遠鏡)はブラックホールの合体などで発生する重力波を観測している。スパーカミオカンデは宇宙からやってくる素粒子を観測している。XMASSではダークマターの正体を探っている。
画像提供:KAGRA(大型低温重力波望遠鏡)

ところで、研究チームの理論をお話する前に、まずダークマターについて簡易におさらいしておきましょう!(by XMASS)。ダークマターについてすでによくご存知の方は読み飛ばしていただいてかまいません。

恒星やガス、チリなどは銀河のなかで公転しています。ところが、このような恒星などの公転速度を調べてみると、不思議なことがわかりました。

理論的には、重力の関係で、銀河の中心部を公転している恒星などは早く、銀河の周辺部を公転している恒星などはゆっくり、公転しているはずなのです。ところが、実際に観測してみると、銀河の中心部分でも周辺部分でも恒星などはほとんど変わらない速さで公転していました。

このような現象が起こるためには、銀河の質量が可視光線などの電磁波による観測から推定される質量よりもかなり重くなければなりません。

そこで、可視光線など電磁波による観測から推定される質量と銀河の回転速度から推定される質量のギャップを埋めるために仮定されたのがダークマターです。

天文学は、主に、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波などの電磁波を使って宇宙を観測していますが、そのような観測手段によっては観測できないけれども、質量を持った何かが存在すると仮定すると、上手く辻褄(つじつま)が合うというわけです。

現在では、重力レンズ現象の観測などさまざまな観測結果から、直接観測することはできませんが、ダークマターが存在すること自体は、まず間違いないと考えられています。例えば、私達の天の川銀河なら、その質量の9割はダークマターで占められていると考えられています。

そして、現在の研究者達の関心は、ダークマターの正体は何かというところに移ってきています。

ダークマターの正体については、まだよく解っていませんが、ニュートラリーノ、アクシオンなどの光(電磁波)とは相互作用しないものの、質量を持った、未知の素粒子である可能性が高いと考えられています。

そして、現在、岐阜、富山県境の池ノ山の地下にあるXMASSの研究施設など世界中でダークマターの正体探しがおこなわれています。

天の川銀河に存在するダークマターが地球に大量絶滅をもたらした?

天の川銀河の画像。真ん中の丸く膨らんだ部分をバルジ、その周りの円盤状の部分をディスクという。太陽系はディスクの部分を約2億5000万年かけて公転している。
画像提供:NASA

では、ダークマターについて簡単におさらいしたところで、いよいよ研究チームの理論を解説していきましょう!(by ニューヨーク大学論文)

太陽系は天の川銀河のディスクの部分を2億5000万年かけて公転しています。しかし、太陽系は、ディスク面に対して平行に公転しているわけではなく、ディスク面に対して上下に大きく振動しながら公転しています。つまりディスクを縫うように波形を描いて公転しています。

ところで、天の川銀河のディスクは中心部分(ディスクの上下に対する関係での中心部分)にいくほど、恒星やガス、チリ、ダークマターなどが高密度に存在しています。

そのため太陽系は周期的に天の川銀河のディスクの中心部分に存在する高密度のダークマターのなかに突っ込むことになります。

研究チームによれば、このように太陽系が高密度のダークマターのなかに突っ込むことが、地球に巨大隕石の衝突や大規模な火山活動を引き起こしている可能性があるといいます。

つまり、ダークマターの重力によって、彗星の軌道が乱され、地球に巨大隕石の衝突が引き起こされる可能性があるというのです。また、地球のコアに蓄積したダークマターの粒子が互いに衝突し消滅することで、莫大な熱が発生し、大規模な火山活動が引き起こされる可能性があるというのです。

研究チームの理論は、あくまでも仮説ですが、とても興味深いものです。これからの研究の進展がとても楽しみです!

まとめ

地球上で起こる大量絶滅には、大規模な火山活動や巨大隕石の衝突が伴い、周期性があることは、まず間違いありません。ただ、なぜ、そのような周期性があるのかについてはまだよく解っていません。

研究チームの理論は、とても興味深いもですが、あくまでも仮説の領域に留まります。

その謎が解き明かされる日はくるのでしょうか?これからの研究の進展がとても楽しみです!

<参照>

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/08912963.2020.1849178

https://www.nyu.edu/about/news-publications/news/2020/december/mass-extinctions-of-land-animals.html

https://www.nyu.edu/about/news-publications/news/2015/february/does-dark-matter-cause-mass-extinctions-and-geologic-upheavals.html

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5 月 前

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