twitterを凍結されたトランプ大統領ですが、
その支持者や保守系のユーザーが、アカウントを凍結されないSNSとして選んだのが、「Parler(パーラー)」というアプリでした。
パーラーは今回の騒動が起きる前、おおよそ大統領選挙の投票日後ぐらいから、「保守系」ユーザーの間で話題になっていました。
選挙後の2週間で、アクティブユーザーは50万人から400万人に増えたのです。
あまりに急激な伸びだったため、サーバ等のインフラ設備が追い付かず、一時は頻繁にクラッシュしていたそうです。
その「Parler」にトランプ大統領や支持者が移動しようとしていたのですが、本日AppStoreは「Parler」アプリを削除したとのことです。ただし、すでにインストールしているユーザーは問題なく使用できます。
※ちなみにAndroidの「Google Play」でもすでに削除されています。
Googleの広報担当者は「Google Playでのユーザーの安全を保護するために、ユーザーが作成したコンテンツを表示するアプリには、暴力を扇動する投稿などの悪質なコンテンツを削除するモデレートポリシーと施行が必要です」と述べています。
この削除措置は、「Parler」が「暴力の扇動」等を削除するポリシーを作り、それに沿った形で「投稿の削除」等を行うまで続けられるとのことです。
2020年はじめから今にかけて、多くのSNSやWEBコミュニティサイトが規制を強化しました。
Facebookやtwitterはもちろん、YoutubeやTiktok、そして海外版5chともいえるRedditでさえも、ヘイトスピーチや陰謀論関連の数百あるコミュニティを削除しました。
「言論の自由」と「フェイクニュース」や「ヘイトスピーチ」の取り締まり、どちらを優先するべきかはここ数年話題となっていました。今回の大統領戦はまさしくその問題が突き付けられた形となります。
確かに事態の収束のためには、トランプ大統領のアカウントを消すことも手段の一つとして支持されていますが、果たして一企業の判断で表現規制が是非とされるのか、議論を呼んでいます。
例えば、投票結果でトランプ陣営とバイデン陣営が逆の立場だった場合、
バイデン氏のtwitterアカウントが削除されたり、バイデン氏の支持者コミュニティが削除されるなら、相当に「表現の自由」が危険に瀕したように見えます。
しかし、今回の件が「起こった」以上、そのようなシナリオも「起こりえる」ことと言えます。
これは「どちらがいい」という問題ではなく「リスクがある」ことが問題です。
おそらくこのまま、20日には就任式が執り行われ、バイデン新大統領が誕生します。しかしこの「表現の自由」問題はしばらく尾を引くことになるでしょう。
どのように事態を収拾するのか、多くのアメリカ国民や各国のネットユーザーが見つめています。