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コロナウイルスがVR・AR(仮想現実・拡張現実)を加速させる5つの理由

「VR元年」と呼ばれた2016年から4年が経ちました。「VRの時代は結局来てないじゃないか!」と思われますか?
いいえ、あなたが見ていないだけで、着実に市場規模は伸びてきています。

https://www.superdataresearch.com/blog/superdata-xr-update

著名な調査会社ニールセンの子会社で、ゲーム調査を行っている”SUPER DATA”が調査した、2018・2019年の値と、2023年までの予測です。
2020年は中国の工場閉鎖等に伴い、どうしても数値が落ちてしまいますが、その後勢いよく伸びる予想が立てられています。

それにはコロナ前の時代と、withコロナ・Afterコロナ時代の違いに理由があります。VR・ARを活用することによって解決する変化がいくつもあるのです。

1.非対面の商談

外出自粛の要請により、多くの企業が非対面での商談を余儀なくされました。
これまで出張費や接待費を使って会いに行っていた営業マンの多くが、zoom等のビデオチャットを使って営業を行っているのです。
政府の支援策として行われている「IT導入補助金」でも、「非対面営業」が条件の一つとして上がっています。
そしてその試みはある程度成功しています。

ではもしコロナウイルスが終息した後、多くの営業マンはまた前と同じように、コストを掛けた対面での営業に戻るのでしょうか?
おそらくそうはならないでしょう。
Afterコロナの時代では、zoomで本来済む打ち合わせをわざわざ交通費を使って行うには「理由」が求められるようになります。

もし対面しなければならないとしたら、それは「遠隔だと伝わりづらいから」という点になります。
実物を見ながら検討したい、場所の雰囲気や距離感がわからない、同じ視点を共有したい。
これらの問題の多くは、VR・ARが解決できます。

2.「密」への忌避感からくるショッピングの変化

これまで商業において「密」は繁栄の象徴でした。
行列する飲食店、取り合いになるセール商品、多くの人が集う展示会。
どれも多くの人を引きつけるのが「密」でした。

しかし今、コロナ前の行列の光景や、多くの人が行き交う展示会を見て、前と同じようにポジティブな感情を抱けるでしょうか。
おそらく難しいと思います。

そこで活躍するのがVRやARです。
すでに中国の大型モールでは、マッピングロボが1時間内にモールを撮影、WeChatでウィンドウショッピングを楽しめるようにしています。

その他にも、商品の大きさ・使い勝手・シミュレーションを行うことにVRやARは適しています。
コロナ禍はネットショップを大きく発展させていますが、その行き着く先の一つにVR・ARが絡んでいることは明白です。

3.コミュニケーションへの渇望

コロナウイルスは多くのコミュニケーションを変化させました。
これまで多くの人が金曜日の夜、繁華街にでてお酒を飲むことを習慣にしていましたが、今や「ZOOM飲み会」といったオンラインの飲み会が各所で開かれています。

しかし遠隔のビデオチャットだけでは、コミュニケーションは物足りなくなります。
距離感や、身振り手振り、そして体の接触がビデオチャットにはないのです。
通常の飲み会ならば、6人程度で飲んでいても、途中3人ずつのグループになったり、2人で個別の話をしたり、等、距離を自由に取ることが出来ます。
しかし「ZOOM飲み会」は、誰かが喋ってる間、他の全ての人は聞き手に回ることになります。これ、実は結構疲れます。皆に聞かせる前提で話をしないといけないからです。

また、親密な関係になればなるほど、体の接触を行えないことはストレスになります。今まで「少し頑張れば会いに行けた」…ぐらいのカップルは、移動自粛要請により相当につらい思いをしているのではないでしょうか。

こういったコミュニケーション上の問題を解決するのも、VR・ARの領域です。
(ちなみにVRゴーグルでは、体の接触なんてできないじゃないか、と思われた方。仮想現実・拡張現実は、なにもVRゴーグルだけではなく、触覚や味覚・嗅覚もその範囲内です)

4.教育の変化

コロナにおいて教育の問題は、すぐに解決を図らなければならない問題の一つです。多くの学校や塾が、休校を余儀なくされています。
これまで学校という形は、多くの子どもたちに教育を届ける最適解でした。30人~40人ぐらいの子どもたちを、一つの教室に等間隔で配置し、生徒は授業を聴講、先生は子どもたちを見守る。最も効率の良い形だったのです。

しかしコロナウイルスの感染拡大防止の為、現在授業を行うことができません。
青少年が成長する上で大事な時期に、教育が受けられないのは大きな損失です。
もちろん、今でもオンラインで授業を行うことは出来ますが、小さな画面上で子どもたちに全てを伝えるのは、なかなか難易度が高いかもしれません。

現実と同じ距離感で子供と接したり、もっと効果的に教材を扱う上で、VRやARは大きく期待されています。

また、教育で役立つのは子どもたちだけではありません。新入社員の研修等にもVR・ARは大変有用です。
今年の新入社員は、入社直後にテレワークを命じられ、未だ一度も出勤していない社員もいます。そういった中で、実際の業務の全体像や詳細、仲間意識を伝えるのにはどうしたらいいでしょうか。
VR・ARなら教育を変革できるでしょう。

5.「5G」のスタート

そしてこれはコロナウイルスが存在しなくても、大きな変化となりました。
5Gがスタートしたのです。

なお、実際のスタートは3月ですが、未だ実感されていないのも無理はありません。未だ国内キャリアでは、4G回線を強化した5Gしか始まっていないからです。本来の期待されているミリ波の5Gは6月にスタート予定です。

そして5Gは、VRにとって大きな助けになります。
これまでこの記事で取り上げてきたソリューションには、多くの場合5Gが不可欠だからです。

例えば教育現場でVRを使いたい場合。
家庭用のLANにVR機器を接続させて、長い時間を掛けて教材をインストール…音声通話でまずは使い方を説明させて…等とやっていては、いつまで立っても授業が開始できませんし、教育格差も問題となります。
しかし5G回線を用意できるなら、問題は解決になります。5GのSIMカードを一体型VR機器に予め封入し、生徒に配るならば、皆同じ条件で教育を受けられます。
今オンライン授業を行おうとするならば、「大型大画面と高速ネット環境と自分の部屋を持っている子」と「携帯回線・携帯画面・親が横でテレビを見ている環境しかない子」には教育格差が生まれてしまいます。
(一つの案です。もちろん、子供の視力への影響や、長時間の仮想視聴がもたらす影響等、ハードルを超えなければなりません)

他にも、コミュニケーションを阻害するタイムラグの解決や、顧客との共同作業にも5Gの高速回線は有用です。
医療現場でも、非対面の診断や、遠隔地での医療支援に5Gはもちろん、VRやARが役立つことでしょう。
5GによりVR・AR事業は大きく後押しされます。

withコロナ下で、多くの技術が発展する

大きな試練に見舞われたとき、人は急成長を遂げることができます。戦争や自然災害で日本は大きな痛みを味わってきましたが、その都度スクラップ アンド ビルドを繰り返し、立ち上がってきました。

今は戦後最大の災厄の最中です。これまでの常識を大きく変える必要があります。
そして接触を行わず、あらゆるコミュニケーションを図れる仮想現実・拡張現実は、withコロナの時代において、非常に求められている技術と言えます。
もし人類がコロナと戦い、すぐにその教訓を忘れるようなことがなければ、おそらくVR・ARは大きな発展を見せることでしょう。

暗いニュースに覆われた毎日ですが、そのような未来ならば希望が持てるのではないでしょうか。

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