Googleが17日、新型コロナウイルスがどのように広まるかの予測データを公開しました。
これはAIを利用して予測されたデータになり、アメリカについて2国目の公開となります。
おおよそ現在の感染範囲に即した予測が出ていますが、とりわけ北海道の予測結果は、非常に危機的な状況を示しています。
Googleの予測はこちらから確認できます。
https://datastudio.google.com/c/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/EfwUB
最初に出てくるデータは、今後28日間で予測される死者数と陽性者数です。
そして日本地図では、色別に感染者の拡大傾向を表記しています。
見ていただければ分かる通り、北海道の感染拡大が危機的状況です。
今後28日で予想される死者数は「116人」
同程度の人口を持つ福岡は「4人」、倍近い人口をもつ東京ですら43人です。
なぜここまで北海道に感染が広がっているのでしょうか。
なぜ北海道で感染が拡大したのか – クラスターの多発
北海道での感染拡大要因ですが、一つの「これです!」といった理由がある訳ではありません。
ただし、現状気になるのは「クラスターの多発」です。
本日確認された感染者は197人、そのうち札幌市で確認されたのは150人。
そして多くの患者さんが「クラスター」内で確認されています。
17日の感染者が確認された場所:
特別養護老人ホーム【ドリームハウス】で入所者4人・従業員5人、栄中学校で13人
医療機関11人、コールセンター10人 等
参照:https://www.htb.co.jp/news/archives_9367.html
札幌市ではこの感染者急増を受け、札幌市民の”外出自粛&往来自粛”要請を決定しました。
北海道が独自に定める「警戒ステージ4」相当の対策を取るとのことです。
北海道の「ステージ4」はどういう意味?
この「ステージ4」はどういった定義なのでしょうか。
北海道庁のホームページ内で公開されている文章ではこのように表現されています。
ステージ4:
感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階
ステージ3と比べて集団感染が広範に多発する等、感染者が急増し、
新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制への負荷がさらに高
まり、一般医療にも大きな支障が発生することを避けるための対応が必要な状況。
対応の考え方:特措法第24条第9項に基づく要請 事業者に対する施設の使用制限など強い協力を要請
参照(PDF):http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ssa/0904_keikaisetsumei.pdf
”新型コロナウイルスに対する医療への負荷が高まり、”
”一般医療にも大きな支障が発生することを避けるための対応が必要な状況”とのことです。
なお、北海道の医師会会長は、11月13日に「この状況が後1週間続くと医療崩壊につながるのではないか」と懸念を示しています。
札幌市医師会・松家会長「10月の時点で65歳以上(感染者)が5.07%、11月になってから18.13%、非常に増えている。入院病床は非常にひっ迫している。この状況があと1週間続くと、医療崩壊につながるのではないか」
https://www.fnn.jp/articles/-/107062
ステージ5は?
ちなみにこれ以上進んだ「ステージ5」はどのような状況でしょうか。
ステージ5:
爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を
避けるための対応が必要な段階
病院間集団感染の連鎖などの大規模かつ深刻な集団感染の連鎖が
発生し、爆発的な感染拡大により、高齢者や高リスク者が大量に感染
し、多くの重症者及び死亡者が発生し始め、公衆衛生体制及び医療提
供体制が機能不全に陥ることを避けるための対応が必要な状況。
対応の考え方:特措法第24条第9項及び第45条に基づく要請
国の緊急事態宣言を踏まえ、さらに強い協力を要請
”病院間集団感染の連鎖”、”高齢者や高リスク者が大量に感染し、多くの重症者及び死亡者が発生し始め”た状況がステージ5とのことです(まだステージ5には至っていません)
また、「対応の考え方」の欄に特措法第45条が追加されています。
第45条には「外出自粛等の要請、施設の使用制限等」が含まれているため、いわば「ロックダウン」を視野に入れたステージということができます。
なお、このステージは北海道で定められたものであり、札幌市が表明したのはこの「ステージに相当する」対応を行う、という意思です。
北海道全体ではまだ「警戒ステージ3」となっています。(17日17時現在)
しかし現在のペースで増え続ければ、当然ステージ5も視野に入ってくるでしょう。
決してこれ以上エスカレートしないよう、感染症の拡大防止対策に取り組みたいと思います。