ある日、元気で成功したビジネスマンがスズメバチに刺されて、予期せぬ脳症を引き起こしました。 その後、彼は変わり者となってしまいました。一日中ほとんど何もせず、ほかの誰にもほとんど興味を示さなかったのです。
しかし、この無関心は、例えば、新聞を提供したり、ブリッジゲームに挑戦したりするなど、他の人間からのわずかな刺激でも、すぐに回復することができます。 反応できるが、行動はできないのです。
これに似た事例が医学文献に記載されています。 ある患者が、火のついていないたばこを口にくわえて30分間ベッドに横たわっていました。 何をしているのかと聞かれると、彼は淡々と「明かりを待っています」と答えました。
別の人は、芝刈り機の上に手を置いて45分間立ち、凍って動けませんでした。 しかし、息子に草を刈るように促されると、すぐに行動を起こしました。 症例報告書でMさんという男性は、食事をすることも含め、日常生活の全てに外部からの刺激を必要としていました。 ある時、彼はシャワーを浴びる時間が長すぎて、水を止めるように言われるまで浴び続け、やけどをするところでした。
これらの人々を襲う症候群は、自動活性化障害（AAD）と呼ばれています。 1984年にフランスの研究者によって初めて特徴づけられたこの病気は、基底神経節の損傷が原因のようです。基底神経節の損傷は、精神的な働きを活発にする繊維を破壊します。 基底神経節は、脳の基底付近で見られる多くの構造を構成しています。 これらの部位は、動きを抑制したり誘発する役割でよく知られています。
「AADの患者は動こうとしませんし、または動きたくありませんが、そうするように促されると簡単に移動できます」とINSERMの研究者は2001年に書いています。 「AAD患者の心は、一人でいるときは待機状態にあると言えるかもしれませんが、社会的相互作用によって刺激を受けると、ほとんど全ての能力が回復します。
「考えることができない」AAD患者もいる
しかし、AAD患者の中には、さらに奇妙な症状の人もいます。それは、考えることができない人です。
「彼らの心は空っぽで、真っ白です。 最も一般的なケースでは、将来のことを考えることも予測することもありません」と、研究者たちは書いています。
「AADの患者は、起きている間も心が空っぽのままです。 彼らは、私たちの知る限りでは一度も報告されていない精神状態を説明しています。それは、普通の意識のある人間にとっては想像を絶するものです。中身のない意識です」
しかし、不思議なことに、このような精神的虚脱状態のAAD患者の中には、夢を見ることができる人もいます。夢は短く、単純で、感情がないように見えます。
この発見により基本的な夢は、脳幹の刺激によって生み出されることが確認されました。
