昨日のニュースですが、総務省が5Gのインフラ設備の充実のため、「負担金を検討している」というニュースがありました。
総務省が光回線維持で負担金制度検討 5G網全国整備へ、2020年代半ばにも
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200120-00000580-san-bus_all
え、また通信費用があがるの!税金が上がるの!と驚かれた方もいるかと思いますが、少しわかりにくいニュース可と思いましたので解説してみます。
光回線は誰が敷設している?
そもそも光回線は誰が敷設しているかご存知ですか?
民間企業?ケーブルテレビ会社?地方自治体?
実はどれもあります。
採算が取れそうな場所の場合、民間企業がいち早く光ケーブルを敷設、多くの人が利用することで利益がでる仕組みです。
しかし、地方自治体が一部出したり、第三セクターが敷設する場合もあります。
どこかといえば、…人口過疎地です…
光回線を引いても利益が見込めなければ企業は敷設しません。しかしそのままだと過疎化が更に進んでしまうので、自治体が補助して引いてもらう場合があります。
しかし引いた後も維持費はかかります。補修や更新にもコストが掛かるため、そういった場所の光回線を持つ業者には、ずっとマイナスが発生し続けることになってしまうのです。
今回の負担金はそういった「不採算地域」に光回線を所有している企業や事業者等に、交付金を出すことで、地域格差をなるだけなくしていこうという目的です。
今までも同じような料金は取られていた
今の話を聞いた時、「そもそも電話回線でも同じような問題が起きるのでは?」と思われましたか?
はい、実は同じような問題が電話回線でも起こっていて、同じように皆さんの電話代から今も引かれています。
「ユニバーサルサービス料」という金額です。
「え、そんなの引かれてたの!?」と感じるかもしれませんが、覚えがないのも無理はありません。
その額たった2円だからです。
電話はほとんど皆が使う物なので、国民や事業所全員から2円も取れれば、それなりに大きな金額になります。
地方の回線を維持するには十分な量です。
今回いくらになるのか、そもそもこの法案は検討段階なので、未だ決まっていません。
しかし、私の勝手な想像からすれば、5円を超えることは考えづらいと思います。
海外でも同じような費用負担はある
日本の狭い国土でもこういった問題が生じるので、他の国でももちろんこの問題は生じており、同じような対策をしています。
英イギリスは2018年に今まで取っていたユニバーサルサービス料に、光回線のコストを追加しました。
またカナダも基金を設けて、2030年までに広い国土の隅々まで高速通信を普及させるよう取り組んでいます。
テクノロジーの進化は素晴らしいですが、進歩するたびに地域格差は問題になってきました。
5G程威力のある技術の場合、その影響はとても大きなものでしょう。
だからこそその問題解決のために5円ぐらいなら、払ってもいいのではないでしょうか。
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2019/01/23 追記
あまりにデマが横行していたので、総務省からコメントが出たようです。
・新たな課税ではなく、ユニバーサルサービス料の見直しであり、しかもまだ検討段階にすら入ってない
・やるとしても対象は通信全体のインフラであって、5Gを主眼においたものではない
・金額や開始時期等決まったことは一切ない。ましてや1000円等高額なものではない
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