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コロナ不況はベーシックインカムへの流れを加速させるかもしれない

先進国がユニバーサルベーシックインカムに切り替えるのは、まだはるか先だと思っていましたが、コロナウイルスにより全世界的な社会不安が増すことで、ベーシックインカムの流れは加速するのかもしれません。

ベーシックインカムとは、国民全員に(年齢・性別・現在の所得に関わらず)所得保障として一定額の現金を支給する制度です。

一見そのような制度を聞くと「誰も働かなくなる!社会が成り立たない!」と思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。
むしろ「無駄な仕事」を排除し、「世界にとって必要な仕事」に注力することができるのです。
いくつかメリットを取り上げます。

ベーシックインカムのメリット

貧困層へ確実な保証を届けられる

日本国憲法では「最低限度の生活」を保証しており、そのためにいろいろな社会保障制度がある訳ですが、「本当に必要な人」に保証を届けようとするため、その審査基準や手続きはかなり煩雑化しています。
「どこに助けを求めたらいいのかわからない人」、「社会的にぎりぎりの線で生きている人」に対して、能動的に手を差し伸べることが現在できていないのです。
ベーシックインカムではすべての人に対して、一律で生きていける分のお金を頒布します。そういった「本当に貧困している人」に対して保証を確実に渡すことができるのです。

行政が負担しているコストを大幅に削減できる

先程「審査基準や手続方法が煩雑化している」と書きましたが、それは行政にとっても煩わしい問題です。一人に生活保護を渡すため、あらゆる人が時間をかけて動き、相談を受けたり審査したりする必要があり、更にはその後監視し続ける人員も必要になります。
これは生活保護だけでなく、年金や医療費についても言うことができます。

多くの人が好きな仕事につくことができる

「仕事の愚痴を言う人」を見たことがありますか?見たことのない人はいないでしょうね。そのぐらい日本には、今の仕事に不満を持つ人が社会に溢れかえっています。しかし転職率は5%未満です。何故でしょうか。仕事を失うことに対する不安があります。
今の仕事を辞めて好きな仕事につけるとは限りません、そうなった場合困窮してしまう可能性があります。(20代、単身世帯の貯蓄額中央値は5万円です)
会社は会社で、明らかに「向いていない」と思う人をクビにすることができません。法律が被雇用者の生活を守るため、そう定めているからです。

働かせたくない雇い主、働きたくない被雇用者。誰も幸せにならないですね。
しかしベーシックインカムなら、「失業したので家賃も携帯代も払えない」等ということにはなりません。生活に最低限のお金は入ってくるからです。
働きたいと思った時に、働きたい業種に就くことができます。(100%好きなことをできる……というのはまた難しいかもしれませんが)

いずれはベーシックインカムに行き着く

「そんな制度は成り立たない」と思われるかもしれません、しかし将来的には、ベーシックインカムに人類は行き着くでしょう。

「AIに仕事を奪われる」というフレーズを聞いたことがありますか?
今まで事務やレジ作業等をしていた人が、AIに取って代わられることで、仕事を失ってしまう、という意味合いです。
しかしおかしな話ですよね?人類を幸せにするために作られたAIやロボットが、進化してしまったばかりに人類を不幸にするのでしょうか?
もし将来、「人類の仕事の8割がAIやロボットに置き換わった」とするならば、人類の8割が失業して生活できないディストピアになるのでしょうか。そんな事は無いですよね?
人類の8割がAIに置き換わるのなら、残り2割の仕事で8割の人が生活できるだけの社会を支えられるということです。ならば8割の人にはお金を配給して、好きに生活してもらいましょう。もし社会の役に立つことをしてくれたなら、追加でお金を獲得してもらっても構いません。
あら不思議…ベーシックインカムみたいになりました。

コロナ不況でベーシックインカムが加速する理由

すいません、説明が長くなりましたね。コロナ不況について言及します。

今現在世界経済は、恐ろしいほどのダメージを受けています。
旅行店や飲食店、イベント施設等は直接的にダメージを受けています。残念ながら多くのお店が倒産するでしょう。

更に二次的に被害を受ける業種もあります。農家は飲食店からの注文が来なかったり、学校給食がなくなったことで打撃を受けています。
普通のBtoCの会社も、客足が遠のいてしまい、多くの店舗が不況を訴えています。

そうなってくるとBtoBの会社も危うくなってきます。多くのBtoB会社がもつ顧客にはBtoCの会社が多分に含まれているからです。
例えばBtoCの会社が広告にお金を使う余裕がなくなってしまった場合、広告代理店も苦境に立たされます。

そうすると不思議なことがおきます。みんなが揃って不景気になりましたね?

不景気はお金を誰かが奪っているせいでなるものではありません。お金が動かなくなることで起こるのです。その点今回のコロナ不況は完璧に条件を満たしています。
世界中の流通が止まってしまったからです。

更に今回のコロナ不況は、通常の経済不況と意味合いが違います。通常の経済不況ならば、労働者はまたすぐ働くことができるからです。国や投資家が工場にお金を給付したり、新しく工場を新設すれば、すぐに労働者は戻ってきてお金を稼ぐことができます。

しかし伝染病による不況は違います。お金があったところで、集団感染を防ぐため工場を再開することができません。工場が再開しなければ、商品は出荷されず、お金はどう頑張っても動きません。
リーマンショックより深刻な自体に陥っているのはこれらのせいです。

そのために多くの国は、国民へ直接現金を渡すことを検討しています。
アメリカでは107兆円を使って、現金給付を含んだ経済対策を検討中です。
香港では国民一人当たり14万円の現金給付を盛り込んだ予算案が提出されています。
日本でも、額は未定ですが現金給付が検討されています。
これは貧困層が困窮しないため、という点もありますが、世界中で悪くなってしまった血の流れを、無理やり動かそうという心臓マッサージ的な手法でもあります。

お金を配布したからと言って、今すぐ飛行機が満員になったり、工場が再稼働したりすることはありませんが、今はとにかく動かせるところを動かさなければ、経済全体が死にかけてしまうのです。

今回のことで多くの国や人が、今までの社会構造の脆弱性に気づきました。
あまり不安を掻き立てるようなことをいうのは本意ではないのですが、コロナウイルスが収束したからと言って、すぐまた次の新種ウイルスが流行らないとも限りません。

ならば社会構造を、そういった逆境にも耐えられやすいよう作り直す必要があるでしょう。
すでにトランプ大統領や、イギリスのジョンソン首相は、ベーシックインカムも選択肢の一つとして検討しているとのことです。
この混乱時に、いきなりベーシックインカムが導入される、というのは考えにくいかもしれませんが、いずれ行き着く経済の形へ、加速したことは間違いないと思います。

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3 Comments

    1. 記事を拝見させていただきました。
      確かに、今の社会福祉制度では時間や手間がかかってしまうためベーシックインカムで行政を効率化することは大事な議論になると思います。
      また、新型コロナウイルスの流行で消費が冷えこむ現在ではなおさらベーシックインカムが必要でしょう。

      ただ、コロナウイルスの流行でベーシックインカムが検討されているのは良いのですが、流行が去った後もベーシックインカムの検討と導入を継続してもらえるかが不安になってしまいます。
      「コロナウイルスの感染が収束したから、もうベーシックインカムを導入しなくていいか。」と思われないか心配です。

      とても読みやすい文章ですらすら読ませていただきました。ありがとうございます。

  1. ベーシックインカムは一見良さそうですが、消費税20%以上、医療費9割負担 他諸々の税金が上がる他、社会保障が無くなるおとを意味しています。 結果的に貧困層にはキツくなる制度です。

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