政府が現在行っている住宅ローンにおける減税の特例措置について、延長を検討しているとのニュースが多くの新聞社で報道されています。今回は、住宅ローン減税についての最新情報を調査しました。
住宅ローン減税の控除を通常より3年長い13年間受けられる特例措置について、政府が延長を検討していることが13日、分かった。
東京新聞2020年10月13日:https://www.tokyo-np.co.jp/article/61577
政府が1~2年の住宅ローン減税の特例措置延長を検討
新築で住宅を購入した時や中古住宅購入時、増改築やリフォーム工事(条件有)を目的とし、10年以上の住宅ローンを組んだ場合に適用される住宅ローン減税13年の特例措置について、政府が期間延長を検討しているようです。
現状具体的な延長期間については不明確なものの、東京新聞によると無条件で1~2年程度の延長案が浮かび上がっているようですので、適用された場合は2021年~2022年に住宅を購入した場合であっても、13年間住宅取得金額の1%が控除されることになります。
減税の延長は住宅業界を支えるのが目的
現在、新型コロナ感染拡大の影響を受け、景気対策として消費税の減税などの意見がでています。
今回の住宅ローン控除制度の延長に関しても、新型コロナウイルス感染症拡大によって住宅の購入遅延や工事遅延などが起こっていることによる経済対策として検討されています。
その他、住宅需要の落ち込みが生じていることなども理由として挙げられますが、東京新聞によると21年度の税制改正で正式に議論される予定となっているようですので、今後の政府の動向が注目されています。
参考:https://www.tokyo-np.co.jp/article/61577
住宅ローン減税制度は1972年から導入
実は、住宅ローン控除における減税制度の歴史は1972年からと古く、当時は住宅を購入してから3年間、取得金額1%分の税金を控除するという制度がありました。
しかしながら、景気の悪化に伴う国が財源不足により最大控除額制限が設けられるようになり、2008年には160万円までという制限付きになりました。
そんな中、2019年の増税(8%→10%)に伴い、元々10年だった減税期間が13年になる特例措置が2020年までの期間限定で設けられましたが、今年になって新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、特例措置の延長が検討されています。
2000万円の住宅の場合211万控除
例えば、2000万円の住宅を購入する場合であれば、以下条件で購入すると単純計算で13年の場合の控除額は211万円程度になるため、購入を検討している人には住宅ローンの減税制度の延長はとても重要なポイントとなります。
特例期間外、10年の場合の控除額(概算)
返済期間30年・ボーナス返済なし・金利1%
住宅ローン控除:約172万円
特例期間中、13年の場合の控除額(概算)
返済期間30年・ボーナス返済なし・金利1%
住宅ローン控除:約211万円
上記に関しては、控除額の単純計算結果によるため様々な要因で変動するものの、10年と13年では39万円程度(消費税2%相当)の差が生じることになります。
参考:https://www.loankeisan.com/bin/calc?a=2000&b=0&i=1&p=30&t=r&y=2020&m=10&ref=koujo&u=y
2022年までに購入すれば13年減税?
現在、2019年10月~2020年12月末の間に入居した場合、購入時から13年間所得税が控除される仕組みになっていますが、この特例措置が2年延長された場合、2022年12月末までの住宅購入(入居)でも13年間所得税が控除になります。
新型コロナウイルス感染症の経済不安によって住宅購入の延期を考えている購入希望者や景気の落ち込みが集中している住宅業界にとっては、メリットの大きな措置になることは確かなのではないでしょうか。
住宅関連業界の反応と一般市民の反応
今回の住宅ローン減税制度の特例措置延長について、twitter上では肯定的意見も多くありますが、反対する意見もあります。
肯定的な意見に関しては、やはり住宅関連業界の意見が目立ちます。
反対意見としては、新型コロナウイルス感染症によって「現時点で生活が困難になっている」人を助けるような対策を練ってほしいと捉えることができるツイートが多く、政府の考える景気対策としての住宅業界支援と市民との意見に大きな違いが生じているのが分かります。
住宅ローン減税を受ける場合の注意点
実際に住宅ローン減税を受ける場合は、いくつか注意したい点があります。
まずは、主となる以下の6つの適用条件を満たしているかを確認しましょう。
- 購入するときの合計年間所得が3,000万円以下である
(収入ではなく所得金額のため注意が必要) - 金融機関の住宅ローンの返済期間が10年以上である
- 購入住宅の床面積が50㎡以上である
- 住居者本人がローンを組んでいる
- 対象物件が建築日から20年以内の物件である
(対象物件が中古住宅場合のみ注意が必要) - 購入物件が自宅用としての購入である
(別荘などは適用外になるため注意が必要)
まとめ
今回は、最近話題になっている住宅ローン減税制度特例措置の延長について調査しました。
新型コロナウイルス感染症によって大きな経済危機が生じている現在、消費税減税制度や住宅ローン減税を中心に様々な景気対策に向けての検討がすすめられていますので、今後の政府の動向にはさらに注目が集まるのではないでしょうか。