オーストリアの首都ウィーンにて、11月2日20時ごろ(現地時間)市街地で激しい銃撃戦が起こりました。
現在報道では2人が死亡、15人が負傷したと報告されています。事態はまだ解決しておらず、ウィーン警察は市民に外へ出歩かないよう呼びかけています。
※ウィーン警察のツイート
今のところ確認されている情報
・08:00 pm: 数発の発砲あり、Seitenstettengasse(地名)で発生。
・ライフルで武装した複数の容疑者
・6箇所で銃撃戦発生
・死亡者1名、負傷者数名(警官1名を含む)
・警察官に射殺された容疑者1名
犯人グループの素性は不明。「反ユダヤ主義」者?という説も
現在、犯人グループがどのような意図を持ってしてこのテロ行為を行っているのか、明確にはされていません。
ただ、銃撃戦が起きたのは「シナゴーグ」の周辺でした。
「シナゴーグ」とはユダヤ教の会堂で、祈りや礼拝、結婚や教育、文化行事等を行う、宗教生活の中心となる施設です。
ただし「反ユダヤ」を標的としたテロとしては、はっきりしない点もあります。
その「シナゴーグ」の代表であるオスカードイチュ氏は、twitterにて「当時シナゴークは開いていなかった」と述べています。
シナゴークが攻撃の対象だったかどうかは、現時点では肯定も否定もできません。
夕方の祈りはすでに終わっていたので、シナゴーグは閉まっていました。ビルの前ではテロリストが通行人を撃っていました。警察は、大規模な銃撃戦を開始しました。
もし反ユダヤ主義であれば、礼拝時に行動を起こす方がより残忍な結果を引き起こします。しかし夕方の祈りが終わり、すでにシナゴーグには誰もいなかったといいます。そして無人のシナゴーグのそばで、通行人が銃撃されました。
犯行声明等も現時点で確認されておらず、犯人グループの意図は不明です。
ヨーロッパで起きる悲惨な殺傷事件
ここ数週間、更にいえばここ数年、ヨーロッパでは多数の殺傷事件が起きており、宗教問題を動機とした事件も複数起きています。
10月31日、パリのギリシャ正教会で、司祭が撃たれました。
黒いコートにニット帽をつけた容疑者は、コートの下にショットガンを忍ばせ司祭を撃ったとのことです。恐ろしいことに容疑者は現在も捕まっていません。
フランス南部ニースでは、29日に刃物による襲撃事件が教会内で発生。3人が死亡しました。被害者の一人は頭部を切断されていたといいます。
現場の遺留品にはコーランと携帯電話2代が見つかっています。
10月16日にはパリの中学校教師が、男に首を切断されるという事件も発生。
この教師は「表現の自由に関する授業」の一環として「モハメットの風刺画」を授業で見せており、それに対する不満を表した保護者がFacebookにそのことを載せていました。
このように宗教問題を発端とした事件が多数起きており、そして今後も沈静化が図れるかは微妙なところです。
今オーストリアで起きている銃撃事件に対して、フランスのマクロン大統領もショックと悲しみを表明しています。
我々フランス人は、オーストリア国民のショックと悲しみを共有しています
今夜、首都ウィーンの中心部で攻撃を受けました フランスに続いて、攻撃を受けている友好国です。これが私たちのヨーロッパです。敵は誰を相手にしているのかを知らなければなりません。
私達は決して諦めません。