日本時間11月10日6時48分頃、アルメニア首相「ニコル・パシニャン」氏がFacebook上にメッセージを投稿。
メッセージ内では「ロシア、及びアゼルバイジャン大統領との間で交わされた戦争の終結に関する声明に署名しました」と書かれており、事実上の敗北宣言であることが読み取れます。
9月下旬より起きていたアルメニア・アゼルバイジャン間の戦争はひとまず終結を見そうです。
(ニコル・パシニャン氏の投稿)
親愛なる同胞, 姉妹, 兄弟。
私は、私と私たち全員にとって非常に厳しい決断をしました。
私は午後1時に、ロシア、及びアゼルバイジャン大統領と、カラバフ戦争の終了に関する声明に署名しました。
既に公開されている声明のテキストは、 私と私たちの人々にとって信じられないほど辛いものです。
軍事情勢を深く分析し、最良の状況を持っている人々への感謝を考えた結果、 その決断をしました。
また、これが現状で一番良い解決策だという信念に基づいています。
来る日にそれについてメッセージを書きます。勝利ではありませんが、私達が負けたと思うまで敗北はありません。そして私たちは敗北したと感じることはありません。これは私たちの国家統一、再生時代の始まりです。過去の過ちを繰り返さないためには、独立した年月を分析する必要があります。
私はすべての犠牲者に跪きます。命懸けで祖国を守った兵士、将軍, ボランティアの皆さんにお辞儀をします。彼らはArtsakh(ナゴルノ・カラバフ共和国)を救いました。最後まで戦いました。そして、私たちは勝利します。ナゴルノ・カラバフ共和国はそこにあります。
アルメニアの健勝を祈ります。ナゴルノ・カラバフ共和国の健勝を祈ります。
参照元:https://www.facebook.com/nikol.pashinyan/posts/2807204759599901
大統領選等で情報の削除が会ったため「Facebookは信用できない!」という声も上がっていますが、その後ビデオメッセージも投稿しているので公式声明とみて間違いないでしょう。
今回の戦争では、SNS上でプロパガンダの応酬が繰り広げられたことから、各国代表の投稿内容も非常に注目を集めていました。
この敗北宣言がFacebookに投稿されたことは、SNSの歴史においても大きな意味を持つかもしれません。
「敗北を受け入れがたい」アルメニア国民
現在アルメニア大統領の家の前では、一部のアルメニア国民が集まり、抗議の声を上げています。
「戦争が終わったのか、よかった」というのは第三者や戦勝国の目線であり、敗北した側にとっては受け入れがたいのかもしれません。
政府庁舎に憤った市民がなだれ込んだ、という情報もあります。
さて、この後何が起こるか、という話ですが、
停戦合意の中では、ナゴルノ・カラバフ共和国そのものは解散しません。
ましてやアルメニアという国自体も滅びません。
アルメニアとナゴルノ・カラバフ地方を結ぶ「ラチン回廊」という道があるのですが、ここも閉鎖はされず、ロシア側が管理をする、といった内容のようです。
「ラチン回廊」以外の部分についてはアゼルバイジャンの管理化となりますが、おおよそは戦時前の状況に戻ると言ってもいい状況です。
戦争の終結条件としては、割と寛大な印象です。
しかしながら、これから訴訟や賠償等の話し合いに移ると思われます。
戦時中、双方「相手が条約違反」をしていると訴えていましたが、それらの精算が行われる形です。
……大抵の場合、戦勝国が敗戦国を訴え、断罪する形となります。
ロシアが間を取り持っているので、そう無理な話し合いにはならないかとおもいますが、治安の乱れや小競り合い等はまだまだ起きるかもしれません。
しかしひとまず停戦したというのは朗報です。これ以上の犠牲が出ないように、落ち着いた戦後処理になるよう祈ります。
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