「Z世代」をご存知でしょうか。
「Z世代」は知らなくても、「ミレニアル世代」は聞いたことがあるかもしれません。
もともとはアメリカで定義された、世代ごとの消費者グループを表す名称です。
ミレニアル世代は1980年代~2000年代初頭までに生まれた購買者のグループでした。
今現在は20歳~40歳というところでしょうか。
このように定義付けされたのも、それまでの世代とは購買プロセスが違っていたからです。
おおよそ中学生~高校生になる前に、パソコンやネットが自宅にあり、成人前に携帯電話を持っていた世代です。
それまでTVや新聞、もしくは人に聞くことでしか情報を得ないのが普通だったにもかかわらず、彼らは(私もですが)検索することで情報を取得し、商品を知り、購入するようになりました。
得することこそ至高であり、新し目のブランドを好み、個人情報を守ることより、企業に渡して便利なツールを使うことを選びます。
しかし彼らもそれなりの年齢になりました。
もちろん今現在働き盛りで、社会を作っているのはミレニアル世代なのですが、新しい「トレンドを作る」点ではそろそろ古臭くなってきたかもしれません。
だから新しいワードができました。それが「Z世代」です。
「Z世代」は90年代後半から2010年までに生まれた世代が該当します。(ちょっとかぶりますね)
2020年現在、10歳~22歳の少年・青年が構成している世代です。
いくつかミレニアル世代との違いを取り上げましょう。
ただしこのワードが生まれたのはアメリカなので、若干アメリカの特性に偏っています。
ミレニアル世代は理想主義者・Z世代は実用重視
ミレニアル世代が生まれ育った頃、日本はバブルに湧いていました。
その後日本ではバブル崩壊による不景気が一時有りましたが、その後のITバブルによる恩恵を受けたのも彼らの世代です。
彼らの親は好景気の恩恵を受けています。
しかしZ世代の親は主にロスジェネ世代です。就職氷河期を乗り越えて子育てをしている実力派です。
また、9.11や金融危機の雰囲気が漂う中で幼少期を過ごしました。
だからこそ、Z世代は倹約家で、一時的な幸福よりも長期的な価値や投資を好む傾向にある、と言われています。
ミレニアル世代はブランド好き・Z世代は個性重視
この辺は多少年齢の問題もあるかもしれませんが…
確かにミレニアル世代が子供の頃は、まだブランド物は価値がありました。
中古だったり偽物だったりしても、仲間に自慢するためにブランドを買う、そんな高校生もいましたね。
しかしZ世代はブランド物にあまり価値を見出していません。
もちろん、ブランドが価値を保証している以上は、ブランド物を買うこともあるのですが、
無名のブランドでも質がきちんとしたものであったり、レビューで高評価がついているものを選ぶ傾向にあります。
また、これはアメリカの傾向かもしれませんが、「みんなが持っているから買う」よりも「個性に惹かれたから買う」というパターンも多いです。
このあたりはSNSの影響が強いかもしれません。
「みんなが持っているもの」はSNSでシェアしても見向きもされませんが、「強烈な個性が光るもの」はたくさんシェアされます。
時にオリジナリティを自分で作れるもの、自ら個性を発信できるものが好まれる場合もあります。
ミレニアル世代はネットショップ好き、Z世代はリアル店舗も好き
意外だと思われるかもしれませんが、ミレニアル世代とZ世代、オンラインショッピングが好きなのはミレニアル世代の方です。
ミレニアル世代は、まだネットショップが出始めたばっかりの頃でした。
多くの人が店舗で買い物をしている中、オンラインで特異な物を購入できることは特別感があったのです。
しかし時代は進み、特異性は逆転します。
彼らにとってネットショッピングは”特別なこと”ではありません。ただの商品を購入する際の一手段に過ぎません。
しかも、彼らは「商品を購入する」その事自体には、さして魅力を感じていません。
それよりも、「商品を探す」「手で見て調べてみる」「メイクアップや、スポーツ等」の体験そのものに価値を置いているので、むしろネットショップには「味気なさ」すら感じているのです。
Z世代へのアプローチ方法
そろそろZ世代へ効果的に販促する方法が見えてきましたか?
・キラびやかな物よりも、実用性の高いことをアピールする。
・「ブランド価値」よりも「レビューが高評価」なことが大事。
・「みんなが持っている」ことよりも「個性が光っている」ことを重視する。
・「配送してくれる」ことよりも「手で触れる・体験できる」ことが魅力的に見える
難しく感じるでしょうか。
しかし、整理してみるとそんなに突拍子もない事は言っていません。
「商品の良さを強くアピールし、体感してもらう」ことです。
SNSに個性的な写真をアップしましょう。そこからリンクしたホームページは、ありきたりなデザインではなく、商品の世界観が分かるデザインにしましょう。
そして体験会や、クーポンの配布を検討してください。
実際にその商品を使ってもらった際、どのような体験ができるのか、動画にしてもいいでしょう。彼らは史上初の動画ネイティブ世代です。
ただ残念なことを言うと、Z世代は日本では15%ほどしかいません。
おそらく数十年は、Z世代向けの広告よりも高齢者向けの広告を見るほうが多くなるでしょう。
時代の転換点を支えるだろう彼らが、この社会を楽しんでくれると良いのですが……